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第255話

時は出航から22時間前。 猫四匹と親猫一匹にたらふく食事をとらせ、眠らせてから俺はろうそくを手に取っていた。 奇しくも今日は結婚して半年。 あっくん曰く、二分の一バースデーだとケーキを買ってきたのがはじまりだ。 俺は、美味しそうな高級二段ケーキを見ながら、ふと思いついた。 「あ、和葉さん、もしかしてケーキ入刀したい感じですか?」 「ちょっと待ってて」 「え、まじ? 俺もビデオに収めよう」 あっくんが狂乱乱舞してる中、資料のおもちゃの中からろうそくを取り出した。 「このろうそく、資料用に買ってたけど、プレイ用に低温で火傷しないって」 「はーい。しまって。駄目。和葉さんの綺麗な肌に蝋は解釈ちがいです」 「えー!」 いや俺も自分にするつもりはない。お肌の曲がりがどの三十代だし。 それに俺的には、あっくんの喘ぎがみたいわけだ。 「……あっくん、ちょっとだけ。ちょっとだけ縛ってもいい?」 「忘れたんですか。縛って辰崎さんに解いてもらったあの日を」 「あっくん、俺さあ、今」 下着履いてないって言ったらどうする? 耳元で囁くと、あっくんが唇をぎゅっと噛む。 「……確かめてみたいだろ?」 「ううっ」

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