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第258話

「ろうそくは」 「お願い」 ちゅっと唇に口づけた。 でもまだ複雑そうな顔。 あっくんの大きくなっている下半身を指先で弄った後、握る。 「あっくん、――お願い」 「でも、俺が喘いでも全然楽しくないし」 「あっくんのお願い、なんでも一個聞いてあげるから。ね?」 「うー」 「あっくんの前で、アへ顔Wピースするよ?」  彼が、『絶対にやめてくださいね。もししたら、俺は涙の海で溺れて死にます』と全否定しているポーズだ。  俺の小説では何度か男にさせているし、意外と人気があるポーズなのに駄目らしい。 「もし気持ちよくなくて熱いだけならすぐに辞めてくださいね」 「わーい。あっくん、ありがとう! 巨根! 大好き!」  首に抱き着いて、なんどもちゅっと唇や首、頬に口づけしてから、いそいそとろうそくを手に持つ。 「あっくんのよりは細いかな」 「ナニを計ってるんですか。そんなろうそくを俺に見立てないでください」  と言いつつも、炎に少し下半身のジュニアが首を下げている。  SMプレイは、俺の泣き顔が嫌いなあっくんには地雷なようだ。   「あっくん、怖いなら俺、目を隠してあげるから」 「そっちの方が、こわって、ちょっと」 目を片手で覆うと、あっくんが息を飲む。 怖がらせて後免。でも、もう止まらない。  俺は興奮しながら、ろうそくを彼の胸の上で傾けた。 その時だった。 「申し訳ありません! 失礼します!」

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