14 / 35
初めての… #3 side C
「お待たせしました。」
灯したキャンドルをありったけ銀製のトレーに乗せ、リビングに入って来た僕に達彦さんは怪訝な表情を見せた。
「これは一体どういうことだ?」
達彦さんの怪訝な表情はごもっともで、リビングのピアノのそばに、場違いな布団が一組敷かれている。
「明かり…消しますね。」
達彦さんが座っているソファーから一番遠いテーブルの位置にキャンドルを乗せた。明かりを消すと、リビングには幻想的な世界が広がる。
「ヒュッゲみたい…」
「キレイだな。」
さっきまで怪訝な表情だった達彦さんも、今はキャンドルの灯りが映し出す美しさに心を奪われていた。僕は達彦さんの隣に座る。
「ねぇ…達彦さん…」
「何だ?」
「達彦さんのその症状ですけれど…それは病気ではないです。」
「じゃあ、一体…」
「多分…性欲てす。」
「性欲?」
「僕以外の人を見ても、そんな症状は一切出ないのでしょう?」
「ああ。」
「好きな人に触れたいとか、繋がりたいとかいう気持ちが強くなると、そういう症状となって体や気持ちに現れるんです。」
「そうなのか…」
「ええ。今夜僕を抱けば…そういう症状はおさまります。」
「しかし……」
「僕に任せてください。大丈夫。あなたは何もしなくて良いですから…」
着ていたバスローブを脱ぎ捨て、僕は生まれたままの姿で達彦さんの正面に立った。。それから…達彦さんのバスローブを脱がし、そのまま彼の膝にまたがった。
ともだちにシェアしよう!