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第21話

運んできてくれたのはありがたい けどお姫様抱っこってなんだよっ! 布団に潜ってうーうー唸っていると 誰かが子供を寝かせるときにするような ポンポンっをしてきた 誰…? 寝返りを潜ったままうって 布団からそーっとみてみると 「先輩…」 先輩だとわかった瞬間 胸がドクンッと鳴った 俺はそれに、気づかないふりを決め込んで 布団から顔を出した 『大丈夫?』 先輩が文字を書いていたものは 朝のメモではなくて スマホのメモだった 「先輩いつの間にスマホ…」 『あのときは教室置いてて… それより寝てなくて平気?』 「紙とペンより楽だしね あー、うん大丈夫…」 なんだろう… うまく先輩と目が合わせられない それでもなんとか会話を続けた 『保健室の先生が栄養不足っていってた ダイエット…してるの?』 「してないよ、 そんなのしたら死んじゃうよ僕 ただ、食欲なかっただけ」 平均の男性より多分筋力も体力もない よく華奢と言われるけれど 本当にそうだと思う それなのにダイエットしたら死ぬわ確実に 『悩み事…?』 「…先輩は気にしなくていい」 少し冷たくしてしまったことで 一瞬驚きの表情を見せた 『なにかあるなら言ってね 俺でよかったら力になるから』 だから それは無理なんだよ 理由が先輩絡んでんのに言えるわけない 自分の思いと先輩の言葉 僕が言ってないことが伝わらなくて それはあたりまえ だけど噛み合わなくてイライラする 先輩からの言葉を 今度は見なかった 会話方法切っちゃったようなもん いつまでも液晶を見ようとしない僕に 痺れを切らしたのか 椅子から立って向こうへいってしまった スマホを僕の寝ているベッドの 枕横に置いて

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