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第22話

暫く置いてかれたスマホに目もやらず ボーッとしていたけど それじゃなにも変わらなくて 液晶を見た 『俺のこと嫌い? ならもう関わらないから言って? 漆くんがつらいと俺までつらくなる なにかあったらすぐに言ってね 今はひとりになりたいと思うから 俺はあっち行ってるね』 先輩… なんでこんな俺なんかに優しくすんだよ ほっといてくれればいいのに 先輩、お願いだから優しくしないで 先輩を…好きにさせないで… 涙が溢れて止まらなくて すぐ傍にいるであろう先輩に 聞こえないよう声を押し殺して泣いた

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