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第6話
電車に揺られること20分
駅から徒歩10分でようやく学校に着いた
教室に行くと
「おはよぉ漆くん♪今日もかわいいね」
「今日も姫みてーな顔してんなw」
こんなこともう慣れた
僕に降ってくる言葉をすべて無視して自分の席に着く
「漆くん…ちょっといいかな?」
はぁ…
これも頻繁にあること
「いいよ」
それだけ言って女の子について行った
教室を出るときにクラスのやつらが何か言っていたが、そんなの気にならない
連れていかれたのはほとんど使われていない資料室
「私、漆くんのことが好きなの…
付き合ってください!!」
「悪いけど、僕は誰とも付き合う気はないんだ
君の気持ちには答えられない…ごめん」
いつもならこれ以上何も言われないのに
今回は違った
「なんでダメなの…ずっと好きだったのに
私のどこがダメなのよ!!」
そう言うとその女子はカッターを取り出して
「付き合ってくれないなら自殺してやる」
自分の手首を切ろうとしていた
「ちょっ…」
冗談でしょ…?
こんなことで自殺とかばかげてる
シュッ
「危ない!!!」
手首に向けられていたカッターを握る手を急いで止めた…が
ポタッ…
「痛っ…!!」
女子は切れていない
だけど僕の腕が切れた
幸い血管ではないから大事ではないが
それでも切れたものは痛い
「あっ…あっ…ごめんなさい…私…」
女子はガタガタと震えている
僕は至って冷静だった
「大丈夫
僕がドジっただけだから
先に教室戻ってていいよ、後で戻るから」
「でも…私のせいで…」
「いいから戻って」
ドアを開けようとしたとき
ガラッ
別の誰かがドアを開けて…
そこに居たのは昨日の美少年だった――
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