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第7話

昨日、屋上ですごくかわいい子を見つけた。 身長は結構低くて、ふわふわしてる。 気分転換に屋上に来たわけだけど、正直気分は晴れなくて そんなときその子が俺に気づいた 「美少年…」 その子はそう呟いてハッとした顔で 口を抑えた 本人は聞こえてないと思ってるみたいで すごく安心した表情になってたけど 俺はバッチリ聞こえてた でも話せるわけ無いから目が合ったその子に、ニコッて笑いかけてみた そしたら顔真っ赤にして、それを打ち消すかのように食べることに集中してた その日の放課後いつものように女子に囲まれて、顔には出さないけどうんざりしてたら女子が騒ぎ出した 誰だろうって思って見てみると、屋上で見た人だった 背中をツンツンってつついたら、嫌そうな不思議そうな顔をされた けど、話してみたいって思ったんだ 俺は人と言葉を交わせないことは 百も承知してる だけど、どうしてもこの子のことが 知りたかった 紙に書いて見せたあと、丁寧に折り畳んで その子の制服のポケットに入れた 話したい けど 話せない 声がでないから―――

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