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第12話
俺が喋らないことにイライラしてるっていうのは薄々気づいてた
だけど、どうすればいいかわかんなくて
いきなり真実を話して
混乱させたくない
でも話さない限りどうしようもない
そこまで深くないけど
浅くもない陽生の傷
血がなかなか止まらなくて
すごく焦った
俺は陽生に惹かれている
過去をいつまでもひきづりたくない
でも簡単に割り切れるほど俺は強くない
陽生に押されたとき
拒絶されたことがすごく辛かった
確かにいきなり抱きしめたのは俺だけど
それでも胸が痛かった
真実を話したとき
どう反応するのか不安だった
もし
声でない人なんてめんどくさい
とか言われたら泣いていただろう
でも陽生は謝った
傷つけてごめんって
正直驚いたけど嬉しかった
『ありがとう』
って伝えたかった
それ書こうとしてたの
陽生は気づいてたかな…?
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