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1日目

 次の朝、特製のバナナスムージーを飲みながら言われた通りにアパートの住所をメッセージで送る。 すぐに既読になり、うさぎがY字バランスをしたスタンプとお辞儀をしているスタンプが連続で送られてきた。 「ゆるいな……じゃあ、こっちもゆるいのを」 僕は丸いキャラがお辞儀しているスタンプを送り、スマホを閉じる。 「さっ、楽しみはバイトの後でだ!」 珍しく気合いを入れた後、リュックを背負って部屋を出た。  バイト終わり、今日は何も買わずにアパートに向かう。 「『僕が夕飯用意するから、福沢諭吉1枚はよろしくね』って来てたけど……なにすんだろ」 僕は頭の中でカッチリスーツを着たザ・イケメンがフルコースを作ってくれるのを想像しながら大通りを歩く。  「あっ、おった!」 突然、大きな声が聞こえて前を見ると、黄色いパーカーに赤いズボンを履いた男性が手を振っていた。 右手に黄色いランチバッグを持っているのに、軽くスキップをしながらこっちに向かってくる。 「はじめましてぇ……佐藤平太くんで合ってるやんなぁ?」 ふわふわな関西弁に低い声……昨日話してたサガに間違いないんだけど。 黒いナチュラルマッシュの髪型に左耳にはシンプルなリングピアス、鳶色の瞳に鼻筋がスッと通っていて、三日月状に上がる口角がステキ過ぎて思わず固まる。

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