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求都=モト
「あっ、ぼくちん三角 と申しましゅ……よろしくお願いいたしましゅ」
彼はテーブルに擦るくらい頭を下げた。
「じゃあ、モト……求める都で求都だから、よろしく」
あとさぁ、とおにぎりのビニールを外し終えて、三角……モトを見つめると、ゴクンと唾を大きく飲み込んだ。
「ご主人様ってなんかイヤだから、せめて『平太さん』って呼んで? 」
「平太しゃん……でしゅか」
なんか思ってたより柔らかい感じになった。
「ちょっと、さ・し・す・せ・そ言ってみて」
「しゃ・し・しゅ・しぇ・しょ」
「次はた・ち・つ・て・と」
「たぁ・てぃ・とぅ・てぇ・とぉ」
一生懸命に言ってるのに、上手く発音が出来ていないのが健気で可愛く見えてきて、おにぎり食べながらふふっと笑う。
「なんで笑うんでしゅか!」
ぷりぷりという効果音が付くくらいに頬を膨らませていたから、真顔で頬を掴み、潰した。
「かわいいからだよ……モト」
僕が軽く微笑むと、モトは平太しゃんと口を尖らせたまま、顔を真っ赤にさせる。
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