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小豆色

 おにぎりを食べ終わってコップに空けたノンアルコールビールを飲むと、モトも同じようにお茶を飲んだ。 「では、名前の通りに求める都へ行く準備をいたしましゅ」 黒縁メガネを外し、蝶ネクタイからベストと上を脱いでいくモト。 ちょっと肉付きが厚い身体のラインが白いYシャツから透けて見えて、思わず息を飲む。 「しょんなに、ジッと見られると……恥ずかしいでしゅ」 モトはまた顔を赤らめる。 今度はカチャカチャとベルトを外して、黒いズボンを脱ぎ、白いブリーフが露わになる。  「モト、ブリーフ派か……僕と一緒だね」 僕が共感すると、アタッシュケースから出した小豆色のハンカチで首元を拭いていたモトははひぃ、と言って顔をゴシゴシこすり始めた。 「平太しゃん、これ……とぅけてくだしゃい」 モトはプルプル震えながら、僕の横で小豆色の首輪を差し出してくる。 「これからぼくちん、平太しゃんの犬になりましゅ……一緒に快楽の楽園へいきましゅよ」 言ってることはよくわからないけど、これがモトなりの癒しなんだろうなと思い、首輪を受け取った。  モトは僕の横にストンと座り、首元を見せるように目を伏せながら、あごを上げる。 口元にある黒い点と目が合い、色っぽいなと思いながら輪を首に通して、長いヒモが前に来るように止めると僕はモトを抱きしめた。

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