29 / 74

ツクの抱き方

 「学校はどお?」 「ふ、つう」 ツクはたぶん歯を見せるくらい笑いながら僕の頭を撫でて、聞いてきているのだろう。 「バイトはどうだったぁ?」 「ひまだった、から……バイトのせんぱいっに、雑学教えて、もらってたぁッよ」 優しく左手で撫でてくれて、うんうんと声も聞こえて心地いい……けど。 「ほぇ〜面白いねぇ。例えばどんな話?」 穏やかな口調とは似つかないニヤついた声を出したツクはリモコンのボリュームを上げたのか、僕のお尻に入った機械のバイブの強さが上がり、僕の嬌声が思わず漏れる。 「ん〜? ごめんなぁ、なんて言ったか聞き取れなかったからもう1度言ってぇ」 「カ、カニとッほぼカニ、の違……ああぁぁあ、う!」 言い切らない内に最大の強さに上げられて声を上げたものの、ちんちんの根元に付けられたリングのせいで、出すにも出せずに悶える。 「これで4回目だよ? まだイケるなんて、なは淫乱だぁね」 うつろな瞳で頭をよじると、右手の親指で操作部のレバーを勢い良く下に下げて、右手と顔を震わせたツクがいた。  パン屋からラブホテルに来た僕はツクの言う通りにウォッシュレットで下準備をしてから裸になった。 ツクは悪い笑みを浮かべながら、僕の身体の前にリングを嵌め、後ろに注射器でローションを入れた後に10個のボールが繋がったような棒を刺したんだ。 それから何十分経ったかわからないけれど、心地いいようで気持ち悪いような感じの奇妙な時間が流れている。 「イケないって気持ち悪いのわかったよなぁ?」 「わかった……から外して」 「お尻の穴を刺激されると気持ち良いって感じ、覚えたよなぁ?」 「覚えたから、お願いだから外して」 外して、とうわ言のように言うと、ツクは僕の頭を名残惜しそうに1回撫でた後、下の方へと向かっていった。 すぐにお尻とちんちんから異物が抜かれたと同時に虚脱感が襲ってくる。

ともだちにシェアしよう!