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お願いします
「だから、今日の関くんも平太には心を開いてくれるよ……きっと」
耳元で小さく言うサガに疑問を抱きながらも聞いてみる。
「関くんは何が好きかな? 今日は料理作って待ってようかと思うんだけど」
「鶏肉、特にささみが好きで、生野菜が苦手……僕も平太の料理食べたいなぁ」
なんて甘い声で言うから今度作ってあげようかなって考えるのは単純すぎるだろうか。
「じゃあ媚薬入りのチーズダッカルビ作ってあげるから」
この前のアレを引き合いに出すと、むうっと拗ねた声を出したサガ。
「じゃあおやすみ、サガ」
「平太ならいつでも電話してきてええよぉ」
なんて優しく言うから、僕はちょっと戸惑う。
「そんなこと言ったらダメだよ……サガ、かっこいいんだからストーカーされちゃうよ」
心配というか注意をしたら、サガは黙ってしまった。
「ごめん、変なこと……「そんなん言われたの初めてや」
サガは少し声を震わせてたから、びっくりしてサガ?と聞く僕。
「気をつけるなぁ……ありがとぉ、平太」
鼻をすすった音が聞こえた後、ププッと電子音が鳴って切れる。
僕はスマホを抱きしめるように胸に当て、目を閉じてこう言う。
「みんなが幸せで、心の底から笑えるようになりますように」
神か仏かわからないけれど、僕はこの世界の主にお願いをした。
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