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独占欲
「じゃあこすり合いしよっか? もう俺……」
ガマン出来へんって吐息混じりに言うから、僕もって言って笑い合う。
僕らは初めて全部脱ぎ、向かい合って座る。
カイリがちょっと腰を上げて僕が下になるような体勢になり、ちんちんをぶつけ合う。
パチンパチンと音は痛そうだけど、すごい気持ち良くて……いつの間にか僕は寝転がり、カイリは覆い被さるような体位に変わっていた。
「へいたん、気持ちいい?」
「気持ちいいよ」
恥ずかしかったけど、きちんと言葉にしたらカイリは変わらずに頭を撫でてくれた。
「カイリは……?」
不安になって僕からも黒いツヤツヤの髪を梳きながら聞いてみる。
「めっちゃ気持ちええよ、へいたん」
カイリは今日一番愛らしい笑顔を見せてから、僕の唇に噛み付いてきた。
最初より求め合うキスでより絡みつきながら、身体も絡みつくように抱き合う。
ああ、イくって思って離れようとしたら、カイリも抱きつく力を強めて震えて……ああ、一緒だなと安心して僕も強く抱きしめた。
2分間ぐらい黙ってお互いの温もりで一つに溶け合った。
「……離れたない」
突然カイリは首筋に顔を埋めて、強く吸い付いた。
「痛っ、どうしたの? カイリ」
分からなくて聞いた後に頬が冷たいのに気づく僕。
顔を上げたカイリの右目から一筋の線が伝っていたから、涙だとやっと理解する。
「ううん……やっぱ独り占めはダメだよなって思ってちょっと悲しくなっただけだから」
なんて切なげに笑って僕の髪に触れるカイリ。
「めっちゃかっこいいよ、へいたん……次切るときも俺がやるから覚えとけよ」
笑う顔がどこか儚げだったから、美容院を出て家庭料理屋さんでご飯を食べても気になっていた。
家に帰って、シャワーを浴びたら首筋に赤い痕があるのも見ても、やっぱり意味がわからなかった5日目の僕でした。
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