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7日目

『明日のユーの誕生日、ここでみんな集まってお祝いしたる』 金歯を光らせて言ったマニを思い出す。 その言葉通りに朝起きてすぐに現れたのは、カイリとツクとモト。 今はカイリがキッチンで朝ごはんを作ってくれていて、ツクが僕を着せ替えして、それをモトがカッコいいと言うなんとも幸せな光景が広がっている。 「やっぱりさぁ、あのチェック生かしたいよねぇ」 パンパンに入った衣装ケースの中身をぶちまけて、次々と服を着せてくれるツク。 「なんでも似合いましゅから、迷っちゃいまちゅね」 んふふと可愛く笑うモトは尖った黒い耳が付いた帽子を持っていた。 なぜか3人の耳にも付いていて、よく聞くと……黒く半楕円形の耳のカイリはコーギー、茶色く大きい垂れ耳のモトはゴールデンレトリバー、黄色く長い耳のツクはラルリちゃんらしい。 2日間徹夜して作ったぁってニコニコしながらツクが言っていた。 ラルリちゃんを考えたの、あだからってウインクもしてたな、なんて数十分前のことを思い返す。 だって、今のところ決まっているのは黒のガウチョパンツだけなんだもん。 「もう、いつもの白Tシャツでいいから」 「それはダメだよぉ」 「しょれはダメでしゅ」 仲良く言うツクとモトにはいって言うしかなかった。 「あっ、この白Tにならいいかも!」 閃いたように目を輝かせたツクは衣装ケースの奥から袋に入った白Tシャツを取り、広げる。 右回りに赤、オレンジ、黄色、緑、水色、藍色、小豆色の7つの手が輪になったイラストが真ん中に堂々と描かれていた。 「開店の宣伝用に作ってたのの残りだけど、あげるぅね!!」 人懐っこい笑顔を浮かべて、両手いっぱい伸ばして渡してくるのを断れる人はいるだろうか。 ありがとうと言って着てみると、サイズがぴったりだった。 「色男だぁね」 嬉しそうに笑うツクに僕はこそっと聞いてみる。 「サイズぴったりなのは偶然?」 ツクは鋭いねぇと低い声で言って、クスッと笑った。 「抱いただけでわかるんだよ」 囁いたツクの声は一番イケメンだった。 チェックの長袖シャツを上に開いて着た後、僕が付けましゅと言ったモトに付けてもらうと、豆柴だと3人は口を揃えて言った。 「この耳、本当に意味あるの?」 恥ずかしくて抵抗すると、あるよぉとツクが答える。 「あのホテルのスイートルームだけの特殊なドレスコードなんだぁ」 いつもの適当なトーンで言うからウソだと思う僕。 「これ、マジやから」 アサイージュースをお盆で持ってきたカイリが苦笑いをしながら居間にやってきた。 なんか1つだけジョッキに入っていた……まさか。 「はい、へいた〜ん! リンゴとみかんを入れた特別なやつ……好きやろ?」 満面の笑みを浮かべて渡すカイリに断れるはずがなく、半分くらい一気に飲む。 「すんごいおいしいよ、ありがとう」 いつものとは比べ物にならないくらいおいしくて素直に伝えると、カイリはまぁなと言って首の後ろを掻いていた。

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