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やっぱり

モトと大皿を4人がいた部屋に持っていくと、大きいチョコケーキが目立つところに置いてあった。 大皿を置いてからそれを真近で見ると、僕にそっくりな似顔絵が描かれていて、綺麗な綴りで‘‘Happy Birthday Dear HEITA’’のプレートが立っていた。 「それ、あが描いたんだよぉ」 いきなり飛びついてきたツクは前歯を出してニヒヒと笑う。 「本当はひよこにしようとしたんだけどね、わかりにくいから却下されちゃったのよぉ」 「ひよこ……?」 全然わからない相変わらずのツク語に首を傾げると、バカだねぇ、なはと初めて言われた。 「卵から孵化したヒナは初めて見たものが鳥じゃなくても親だと認識しちゃうんだって……それってエッチ知らなかったへいちゃんがあ達と抱いたり抱かれたり出来るのと同じだよね?」 ああ、そうか……そうだよな。 ストンと物がハマった感じがして、これが腑に落ちるってことだとわかった。 わかった?と言われたから、大きくうなずくと、モトの紐を奪われる。 「ちょっと嫉妬しちゃったんだぁ、あの大事なミツ……返してもらうね」 狂気の瞳で僕を見てから、目の前でモトと深いキスをするツク。 トロけるような瞳に一瞬でなるモトにこれは敵わないなと思ってしまった。 サガとカイリも来たから、僕の誕生日パーティーが始まった。 お酒が飲めるようになった僕のコップには焼酎が注がれ、ワインやビール、ウーロンハイとみんなお酒を注いで乾杯をした。 みんながハッピーバースデーを歌ってくれて、僕が火の付いたろうそくを吹き消すという誕生日パーティーならではの約束事もあっという間に済ませ、とにかく楽しそうなみんなを見て楽しむ僕。 僕にとっては初めての誕生日パーティーだし、なにより20歳をみんなで過ごせるなんて夢みたいだな。 なんて思い、料理を食べながら勢い良く飲んでいくみんなと違い、大人の苦味と急性アルコール中毒になりたくないのでチビチビしか飲めない僕。 「ちょいとこのコップ貸してな?」 僕の手からコップを取り、ぶどうジュースを加えて、白くて長い指で混ぜるキヨ。 ありがとうと言って手を伸ばしたのに、キヨは一口、口に含んで僕を抱き寄せ、そのままキスをした。 ぶどうの甘さとキヨの優しさで苦味はもうなくて、もっともっとと舌を絡ませる。 キヨも舌を絡めてきて、離れた時には銀色の糸で繋がった。 「俺の夢、叶ってもうた」 その声の先を見ると、左手にチーズ、右手にワインを持ったサガが満足そうに笑っていた。 「今日はヤる予定はナッシングやったけど、やっぱりな?」 マニの言葉でみんなは顔を見合わせてうなずいた後、着ていた服を脱ぎ捨て、キングベッドへと飛び込んでいった。

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