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恋火5
「ルイードはこの河が分離した渓流のほとりで、ひっそりと生きてるんだよ。…彼は、僕のたった1人の友達なんだ。…あ、君が来る前までは、っていう意味だけど」
「――また会える?」
「うん」
マールは嬉しそうに即答した。
その言葉に、また胸がチリッと焦げそうになる。
(やっぱり好きだなぁ…)
そんなことをマールに対して思った――
その時。
坂の上の屋敷から飛び出してきた皆黒が、
乱暴にドアを開け放ち、川辺にいるソルに向かって大声を張り上げた。
「ソル!いつまで喋ってる気だ!夕食を作るのに火が足りないんだ!遊んでないで早く戻ってこい!」
その声に驚いて、マールはびくりと飛びのくように水面下へと沈み落ちた。
「あ、」
と思ったのもつかの間、
マールの姿は、一瞬で水の中へと消えていってしまった。
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