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ソルの言い訳3

「僕のせいだね。たくさん迷惑かけたから、…きっとソルは、僕のことがキライになったんだ」 「良かったじゃないか。ざまぁみろ、って感じだろ」 「え、」 その言葉の意味を測り兼ねて、マールはきょとんと目を開いた。 皆黒が、嘲笑うように見据えてくる。 「オレは、お前にイジワルばかりしてるものな。アイツがいなければ、オレはこの森で凍死するしかない。ソルがいなくなってオレが困ればいいと思ったろ?」 「そんなこと…」 マールは声を震わせた。 (――たしかに、ソルと仲良くしていると、すぐ引き離そうしたり、大きな声で怒鳴られたりしたけど…) 「皆黒は、困ってる僕を助けてくれたし、虹駆(にじかけ)の名前もつけてくれた。…いい人だって知ってるよ」 「はは。お前に言われると虫唾が走るな」 「っ、なんだよそれ。もういいよ!」 皆黒の言葉にカッとして、 マールは吐き捨てるように叫ぶと、屋敷から出て行ってしまった。

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