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ソルの言い訳5
河の中ほどにある岩場に身をひそめて、マールはこれまで無いほど落胆した。
せっかく出来た友人を、こんな形で失うことになるとは思ってもいなかった。
それが自分の責任だと思うと、なおさら腹が立ってくる。
(謝ろうにも、ソルはどこにもいないし…どうしようもない)
落ち込みがピークに達し、
ルイードに泣き言でも聞いてもらおうかと考えていた矢先、
「マール!」
その声に反応して、びくりと身を震わせた。
「マール、いるんだろ。姿を現せ!」
「――」
川辺から聞こえてくるのは、ソルの声だ。
(――やっぱり戻ってた。…皆黒は、ウソつきだ…!)
嬉しいのと、悔しいのとで、頭の中がグチャグチャになる。
いろんな意味で自分が受け入れられていないと気づいて、
ソルに対しても、皆黒に対しても、
自分自身にも、情けなさが溢れてきた。
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