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巨木の精霊ルイード2
「ルイードは、マールの友達で、この森にずっと住んでる巨木の精霊だ」
「へぇ、どんなヤツ?」
皆黒が興味津々で身を乗り出してくる。
ソルは、ふるっと首を振った。
「オレも会ったことない。ソイツは警戒心が強くて、人見知りで。マール以外の誰とも会おうとしないって。…あの鳥、虹駆 は、もともとルイードの枝に住み着いた鳥だとも言ってたな」
「ほう」
と、皆黒は、息をついた。
「おもしろいな。ほかには? その話、もっと聞きたい」
繕い物を諦めて、皆黒が古ぼけたコートを丁寧に畳み始めた。
そんな彼に、ソルはマールから聞いた話を教えた。
「えーと、…あとは、何だっけな。…この先の、河が分離したところに住んでるんだったかな。かなりの古木で朽ちかけ寸前だったらしいけど、ここ最近は生気を取り戻したって」
「…そんなことあるのか?」
「水が良質になってきたせいだってマールが…。オレにはよく分からないけど」
「うーん?」
皆黒は、顔をしかめて小さく呻いた。
――水が良くなってきたという実感は、正直ない。
皆黒がこの森に来る以前のことを、詳しく知っているわけではないが、
古い木が元気を取り戻したというのなら、
ほかに理由があるのかもしれない。
拳を顎先にあてがって、皆黒は考え込むように目を閉じた。
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