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皆黒とルイード1
昼前になって皆黒が畑仕事から戻ると、
ソルの姿が、早々に見えなくなっていた。
「やれやれ、またか」
河の方を見てみるが、2人の姿は見当たらない。
おおかたどこか別の流域に移動して、仲良く話し込んでいるんだろう。
皆黒は出かける準備を済ませると、大きなバッグを背負って1人で森に向かった。
…冬支度にそなえて薪を拾いに行かなければならない。
それから、畑で作れそうな果物や野菜の種か苗があれば調達しておくのもいいかもしれない。
――魔法があればなんでも出来るけど、
昔からの性分で、どうしても自給自足に頼りたくなる。
(特に惜しい命でもないから、別にいつ死んでもいいんだけどなぁ)
などと自嘲ぎみに笑って歩き出した。
ふと、あることに気づいたのは、森に入ってしばらくしてからだった。
「…しまった。…迷ったか…?」
深い森の中で、
空を見上げた彼は、心もとなく息をついた。
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