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皆黒とルイード7
皆黒が帰ってしまうと、
辺りは夜中のように、静まり返った。
切り株の上に、美しい細工の腕輪がひとつ。
――カサリ、と小さな葉音がしたのは、間もなくだった。
誰もいなくなった崖上の切り株。
そこにシルバーの腕輪が置き去りになっているのを見つけたルイードは、
待機していた白樫の上からするすると地面に舞い降りると、
慎重に手を伸ばした。
朽ち折れそうな枝でできた指で、きらりと光る金属の腕輪に触れてみる。
意外に頑丈にできているらしいそれは、指先で触れただけではぴくりとも動かず、
ルイードは意を決して手に取った。
…その刹那。
横から伸びてきた皆黒の手が、がしっとルイードの手首を掴んだ。
「っ!」
ぎょっとしたルイードが息を飲む。
その様子を間近で凝視した皆黒は、
「良かった、会えた!」
と、嬉しそうに笑った。
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