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鳥居と赤石の喧嘩事情
「で、しばらくしてここに帰ってきたんです。何も考えたくないし〜とりあえず寝ようかなと思って。」
「…考えないと進めないぞ。」
「でも、考えるとしんどくなる」
「しんどいのは進んでる証拠だ。」
ぐっと唇を噛みしめる鳥居、三角座りをして俯き膝に顔を埋める。
「だって、わからないんですもん。」
「何が?」
「何を考えて、どうしたらいいのか、わからないんですもん…」
いじけモードなのか顔を上げても俺と目を合わせようとはしない。溜息を吐くとビクッと震えた鳥居は不安そうに俺を見上げてくる。
「お、怒りましたか?」
「怒ってねえけど、お前やっぱり高校生の時から止まったままだよ。」
「う…」
「友達もできたろ。その友達が危ない目にあってそれを助けようとして、お前が自分の力がコントロールできなくなったところをその友達がみたらどう思う。…普通のやつなら怖くて逃げるだろうけど、ユキならそんなお前が心配で必死で止めようとするぞ。」
コントロールできてない鳥居に無闇に近付くのは危ない。けれどユキはどれだけ自分が傷つこうが鳥居が心配なら止めに入るはず。
「お前が落ち着いたらユキはたくさん怪我しててもよかったって、お前を見て笑ってるぞ、きっと。」
「やだ…」
「じゃあどうしたらいいのかわかるだろ。」
「はい」
「それに赤石はあんなんだけど意外といい奴だ。お前が力をコントロールできるようになれば幹部にもなれるかもしれないって言ってるんだ。…きっとあいつが一番お前の悪いところとがわかってるはずだから、嫌かも知んねえけど聞いてみろ。」
鳥居は素直に俺の言葉を聞き入れて、コクリと頷いた。
それから数日経った今日。
「嫌だって言ってるでしょ!!」
「何でですか〜!赤石さんが言ったんじゃないですか〜!」
「もう!!嫌だって言ってるでしょうが!!本当誰だよ!!鳥居に俺に聞けとか言った奴!!」
幹部室で赤石に詰め寄る鳥居と、それに怒る赤石。
「俺だけど。」
「みっちゃん!!何でそんなこと言ったの!?何でわざわざ鳥居が幹部入りするための手助けを俺がしなきゃいけないの!?」
文句を言う赤石に幹部室にいた早河がうるさいと一言。そして
「下を育てんのも幹部の仕事だろうが。文句言うならてめえを下に落とすぞ赤石。」
「はっ!?あり得ない!早河の鬼畜!!」
「うるせえんだよ、早く鳥居に教えてやれ」
そうして赤石は不貞腐れながら鳥居に「ついて来なよ」と言い幹部室を出たのだった。
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