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機嫌が悪い 『君特』
「おかえりー…?」
バタン、と玄関の閉じる音が聞こえたから迎えに来たのに、今さっき帰ってきた燈人からは嫌なオーラが醸し出されている。
「どうしたの?」
「…悪い、今話すの無理だから、放っておいてくれ」
「わかった」
燈人は時々すごく不機嫌になって帰ってくる。
その時は俺に当たり散らさないようにって、こういう風に先に俺を遠ざける。
「あ…でも、ご飯は?あとで食べる?」
「…ああ」
それだけ返事をして燈人は自分の部屋に篭ってしまった。
1人でご飯を食べて、風呂を沸かして入る。
湯船に浸かりながら溜息を吐いて、どうしたものかと考える。
こういう時は放っておくのが一番なんだろうけど、やっぱり少し心配なんだよな。
そう思っていると突然大きな声で名前を呼ばれた。何事かと思って急いで風呂から上がって、タオルを巻いただけの格好でリビングに行くと、燈人がソファーに座りながらこっちを見ることなく「来い」と言った。
「ごめん、俺まだ濡れてるから…」
「早くしろ」
有無を言わさない声圧にゆっくり燈人に近づくと、腕を引っ張られて燈人の膝の上に跨る形になった。
「燈人?───んっ!」
いきなりキスをされて、深く舌を絡めあう。
背中に回された手が妖しく動いて、タオルをかけてあった下半身からそれを取り、生まれた時の格好になる。
お尻を撫でられて、ゆっくりとまだ濡れてもない指が後孔に触れるとついつい体が強ばった。
「ぁ、ん…燈人、痛いのやだ」
「ちっ」
舌打ちされたってそれは変わらない。
「は、ぁ…ん、あっ!」
「悪い、本当…お前のこと考えてやれない」
「んぅぅっ、いいけど、はぁ…痛いのは嫌だから、っ」
ペニスを緩く扱かれて気持ちよさに頭がトロトロになる。
背中を丸め、達してしまいそうなのを燈人に伝えるとキスをされて、ペニスの先端を親指でグリッと弄られ耐えることが出来ずに射精した。
燈人にもたれ掛かり荒く呼吸をしていると、俺の精液で濡れた指を後孔に挿入されて、ビクビク体が震える。
「あ…と、り…待ってぇ…」
「悪い、無理」
ある程度解されたそこに大きな熱が宛てがわれゆっくり入ってくる。何回経験しても慣れない圧迫感が今日は特に酷くて、燈人に強く抱きついて何度も息を吐く。
「あ、あ…はぁー…はぁ、苦し…っ」
「はぁ…真守…」
「ん、ぅ」
キスをされて頭を撫でられる。
その手つきが優しくて気持ちいい。
強請るように舌を絡めれば応えてくれて、ついでに中に埋まるそれがまた少し大きくなった。
「あぅ…お、っきぃ…」
「動くぞ」
「ん…は、あ…あっ、あ…!」
どうしてこんなに不機嫌なのかはしらない。
けれど、それでも俺のことを考えて謝ったり、痛くしないようにって考えてくれてるのが嬉しい。
「あ、ふっ、あっ、ああ、っあ!」
「お前も動いて」
反れた首、ボコッとしてる喉仏を燈人に舐められる。
燈人の肩を持ってゆっくり上下に動くと、内壁を擦られる感覚が気持ちよくて甘い息が漏れた。
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