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揺れる
「よかったら、1日、この子と過ごしてみてくれない?蓮君も望んでるの」
「…わか、りました」
俺も同じだけれど親が亡くなって、一人になってしまった。そんな蓮が望んでいる事を拒否する事なんてできなくて。
おばさんの手から俺の手に移る小さな手、その手が俺の手を強く握って「お兄ちゃん」と言ってまた蓮は笑った。
「お前は辛くないのか」
「辛い…?」
「…いや、いい」
俺を育てた親だ、こいつももしかしたら何かあったのかもしれない。それとも悲しいとか辛いとかそういう感情を隠しているだけなのか…?
***
やる事を終えて家に帰ってきた、蓮は疲れたみたいでリビングのソファーでゴロンと転がって眠っている。
「…どうするか」
俺にはユキがいるし、蓮がここに住みたいと言ったとして、申し訳ないが首を縦に振る事は簡単にはできない。
弟なんて突然言われても困るし。まだ頭は混乱してる。
生活の援助はしてやれるが…うーん、と頭を悩ませた。
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