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揺れる

「おうどん!卵もあるー!」 「熱いから気をつけろよ」 「うん!」 チュルチュルとうどんを啜る蓮。熱いぞって言ったのに結構の量を一気に口に入れて「あち!あち!」と水をゴクゴク飲んだ。 「気をつけろって言っただろ」 「美味しい!」 「…聞いてんのかよ」 ニコリ笑って食べ続ける蓮に自然と笑みが漏れる。 「なあ、蓮」 「んっ、なぁに?」 「お前、これからどうしたい」 「これから…?」 そう言うと「わからない」と言った蓮に「だよな…」と呟いた。 「お兄ちゃんは、僕がいたら、嫌…?」 「嫌、とかじゃなくて…」 「…僕のこと、みんな邪魔っていう」 「違う」 邪魔なんかじゃない、そんなことあるわけがない。 どうしたらいいんだ、頭が痛い。 「お兄ちゃん、僕ね、あんまりわからないの」 「何が」 「お父さんと、お母さん、死んだんでしょ?…でもね、泣いたりなんかしないし、胸も痛くならない、悲しいなって思わないの」 「…俺も、思わない」 それはきっと悲しいことなんだ。 本当の親が死んだのに何も思わないのは。 「蓮、俺な、一緒に住んでる奴がいるんだ」 「…うん」 「14歳の、男の子なんだけど」 「わ、大っきい…」 「あ、お前何歳だ?」 「僕10歳だよ!」 両手を広げて10を表した蓮の髪を撫でる。 「そっか。…それで、その…俺と住んでる奴がユキって言うんだけど、ユキにも聞かねえと」 そういうと小さく頷いた蓮は少しだけ悲しそうに笑った。

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