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揺れる
蓮を次の日おばさんの家に迎えに行って、ユキが留守番をしている家に帰ってきた。
「おかえり、なさ…い…」
「……お兄ちゃん、この人、だぁれ?」
ユキは蓮を見て少し怖がるようにして俺の足にしがみつく。蓮はそんなユキを見て不思議そうにしてた。
「ユキ、一回離れろ。…蓮、今日からお前の新しい兄ちゃんになるユキ。」
「ユキくん…」
「そう。で…ユキ、今日からお前の弟になる蓮。」
「れ、蓮くん…」
リビングで紹介をする、ユキは離れろって言ったのに未だに俺から離れようとしない。
「ユキくん!」
「な、何…?」
「一緒に、お遊びしよ!僕、ユキくんとたくさん仲良くなりたい!」
「う、うん!」
蓮がそう言って笑った、ユキもつられるように笑ってる。どうやら仲良くやれそうでよかった。と一度小さく息を吐けば、さっきおばさんの所に行った時に言われた言葉を思い出して頭が痛くなる。
「でも、よかったわ、命くんが引き取ってくれて」
「正直新しい家族なんて蓮くんも気まずいと思うし、こっちも気を使うし…」
「なんせまだ小学生だからね、これからのお金のことを考えると大変よ…」
結局、そんなものなんだ。とおばさんの前では言わなかったけれどずっとモヤモヤしていた。
金のこと、それは大切かもしれねえけど何より大事なのは蓮の気持ちだろうに。
「命!テレビ見てもいい…?」
「あ…?…ああ、いいぞ」
あとで買い物に行こう、蓮の服やら何やら、買いに行かないと。
「二人とも、あとで買い物行くぞ」
「はーい」
「うん!」
テレビを見てキャッキャ笑ってる二人を見るとおばさんのことも頭から消えていった。
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