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揺れる
「ユキも蓮も、用意しろ。」
「お兄ちゃん、どこ行くの…?」
「んー、車でちょっと行った所だ。蓮の服とか買わねえとな」
「そっかぁ!」
ユキと蓮は急いで外に行く準備をして、玄関に走って行った。玄関に行くと二人は用意ができたと胸を張って俺を待っていて、靴を履いて玄関を出ると二人が左右にたって俺を挟み、それぞれ手を繋いでくる。それに思わず笑ってしまった。
「鍵閉めないといけないから、ちょっと手離して。」
そう言うと二人はパッと手を離してくれたけれど、鍵を閉めるとまたすぐに手を繋いできた。
エレベーターに乗り駐車場に行って二人を後部座席に座らせる。
「シートベルトちゃんとしろよ」
「シートベルト…?」
「僕がやってあげるよ!」
ユキがシートベルトがわからない蓮にシートベルトをつけてやりユキもつけたのを確認して車を発車させた。
***
「わ、大っきい!!」
「はぐれんなよ」
「お手手繋ぐ!!」
「最初は…服でいいか?」
「うん!」
二人と手を繋ぎながら子供服の置いてあるところに向かう。チラチラと人の視線がこちらを向くのは俺が二人の子供と手を繋いで歩いてる姿が不自然なのか、ユキと蓮が可愛いからか。
「蓮、好きな服選んで。」
「好きな服…僕、わかんない!」
そこら辺の服をチラチラと見てわからない!と笑顔で言われちゃ俺もまた笑ってしまう。
「ユキ、蓮の服一緒に選んでやろうぜ」
「うん」
「ユキもほしい服もあったら言えよ」
「うん!」
蓮の服を見ていると、突然足にドンと強い衝撃が来て何だ?と下を見れば蓮が不満そうな顔で俺を見上げていた。
「どうした?」
「…疲れちゃった」
「…抱っこするか?」
「するー!」
蓮を抱き上げてまた服を見てるとまた足に衝撃。今度は…?と下を見ればユキで、「ずるい…!」と俺に向かい手を伸ばした。
「ユキも抱っこか?」
「…抱っこがいい!」
「じゃあ…順番な。蓮の服これだけ買うけど、ユキは何もいらねえの?」
そう聞くと首をブンブン横に振っていらないと言ったから蓮を抱っこしたままレジに向かった。
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