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オメガバース
「───っ!」
病院に行った3日後。
結果を聞きに病院に来ると早河の予想通り、俺はどうやらオメガだったらしい。
同情をしたような話し方をする医者の説明と、診断書に書かれたオメガの文字と、渡された抑制剤に呼吸をするのが苦しくなって倒れそうになる俺を慌てて医者が支えてくれる。
椅子に座らされて項垂れる俺に慰めと励ましの言葉を掛けてくるけど、そんなものでこの絶望のドン底から希望が見えるなんてことはない。
オメガの社会的地位は低い。
それは発情期に入れば発情以外何もできないし、そのせいで繁殖をする為でしかない種だと考えている人間が多いからだ。
それを考えるともう死にたいと思えてきて、フラフラと診察室を出て、金を払うために待合室の席に座る。
「……………」
人の視線をビシビシと感じる。
どうやら俺の匂いに反応してる奴ららしい。その現実に吐き気すらしてきた。
ああ早く帰りたい、暫く家に篭っていたい。
そんな中、携帯が震えて画面を見ると早河からの電話で、今のこの現実から逃げるように電話に出る。
「はい」
「──結果は?」
「…っ」
声が震える。
息ができなくて苦しくて待合室の椅子に倒れこんだ。近くに居た看護師さんが声をかけてくる。
「命?大丈夫か?」
「……悪い、迎えに来て。」
「……わかった」
電話を切ると同時、看護師さんに連れられて病院のベッドに暫く横になるようにと言われ、大人しくそこに寝ることにした。
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