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オメガバース
番関係になるには性行為中にアルファがオメガの項を噛まなければならないらしい。
いきなり性行為って言われても怖いし「今はまだ待って」と言えば嫌な顔一つせずに頷いてくれる。
「まあいきなりはそりゃあな」
「…つ、次来る発情期のとき、に…。」
「いつ来るのかわかるのか?」
「…わかんねえ」
突然外で発情期が始まったら…そんな事を思うと今すぐにやってしまった方がいいんだろうけど、なんせまだ気持ちが追いついてくれない。
「お前の匂いは4日前より酷くなってるし、きっと近いうちに来るんじゃねえか?」
「そうだとしたら、暫くは家から出ないほうがいいよな…。」
「抑制剤を飲む気がないからな」
「だって、飲んだらずっと、ずるずると何もしないままいっちまいそうで…」
話の内容だけに恥ずかしくなって俯く俺に「まあとりあえず、きっと近いうちに発情期が来るだろうし、その時な。」と頭を撫でてくる早河。
「発情期の間、どうなるんだろう…」
「医者から話は聞いてねえのか?」
「一応は聞いたけど、あんまり覚えてねえんだよ。」
だってオメガだと告げられた時の絶望感の中、そんな話は聞いてられなかった。
「発情しかできなくなるって聞くから…すげえ怖いんだよ…」
「たかが1週間だ。それに怖いなら俺と番になった後は抑制剤を飲めばいい」
「…でも」
「とりあえず、その先の事はその時が来たら考えろ。」
今考えたって意味が無い。
こくこくと頷く俺に早河は優しく微笑んだ。
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