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オメガバース

次の日も抑制剤を飲んでゆっくりしてるユキ。 俺はベータとオメガでも…とトラに確認してみたけれど番になることは不可能らしく、溜息を吐いて項垂れていた。 「命…?」 「どうした?」 「つかれてる、の…?」 そっと俺の膝に触れて、見上げてくるユキは「僕のせい…?」と胸元をキュッと掴んだ。シワシワになった服が今のユキの心情を表してる様で慌てて「違う」と言いユキを膝に乗せた。 「僕、お薬飲まないと、すぐ、発情期、なる、から…」 「ユキはそんなこと考えなくていいんだよ。俺は疲れてなんかねえし、な?ユキ、だからそんな顔するな」 「うっ、だって…」 俺の肩に頰を付けて泣き出したユキ。トントンと背中を撫でているとテーブルに置いていた携帯が震えてユキを抱き上げたまま携帯を取り画面を見ると早河からの電話で、仕事か?と思いながら電話に出た。 「はい」 「今ユキくんは側にいるか?」 「いるけど…」 「ユキくんに代わってくれ」 「いや、今は…」 「早くしろ」 厳しい声音でそう言われて泣いているユキに申し訳なく思いながら携帯を渡す。 「は、はい」 「───────」 「でも、どうやって…?」 「─────────」 「うん…わかり、ました…」 電話を切ったユキは携帯を握りしめたまま俺の肩にグリグリと額を当てて「どうしよう」と繰り返す。 「早河、何て?」 「…秘密、って…」 わざと俺の前でユキだけに何かを伝えて、1人で考えさせようとしてるあたり腹がたった。

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