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オメガバース

ユキside 目を開けたら琴くんが隣で僕の顔をじっと見ていて、「おはようございます」って伝えたら悲しそうな顔で僕をぎゅっと抱きしめた。 「ユキくん、ごめんね」 「…ごめんね?何で…?」 「……………」 黙ったままで話してくれない琴くんに不思議に思ったけれど、もしかしたら眠たいのかもしれないと思ってその後は何も聞かないでジッとする。 「あ…!」 そうだ、命はどこだろう。 命に何も言わないで勝手に決めちゃったから、怒ってるんじゃないかな…怒られたらどうしよう…何て言おう、って考えながら「命、どこ?」と琴くんに聞けば唇を噛んで「もうおらんよ」って言われた。 「命さんな、怒ってもうて、もう帰ってこうへんねん,」 「え…」 「もう会われへんけど、大丈夫、ちゃんと俺と大和でユキくんのこと…」 「やだっ!命、どこっ」 探しに行かなきゃ!と思ってベッドから降りるけど、床に足をつけても力が入らなくて床にへにゃっと座り込んでしまう。 「命、命っ」 「もうおらんねん」 「やだよぉっ、命ぉっ」 僕が琴くんと番っていうのにならなかったら、まだまだ命に会えてたのに。そうやって思うと悲しくて涙が止まらない。 取り返しのつかないことをしてしまった事に、体がピリピリと痺れるみたいになる。 その日からそのピリピリはいつもお胸の中で感じていて、僕にとって楽しい日なんてその後は一度も来ることは無かった。

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