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オメガバース
失神した太陽をベッドで寝かせたまま俺は風呂に入って朝ご飯を食べる。母さんはそこにいたけれど太陽が発情期の時は俺と太陽が学校を休むことは黙認してるし、怒ることはない。
「架月、太陽は?」
「寝てるよ」
「…酷いこと、してない?」
「してないよ」
したとしても何も言わないくせに。
母さんも父さんもベータで、アルファの俺より社会的階級が低い。それを母さんも父さんも理解してそれ相応の対応をとる。そういうところ、ちょっと違うと思うんだけどなぁ。
「ご飯食べるの?何がいい?」
「自分でするからいいよ」
母さんに首を振って自分でご飯を用意して食べる。昨日の晩飯はセックスをしてたから食べ損ねたし、余計にご飯が美味しく感じる。
「疲れてるわね」
「うん」
「大丈夫?」
「大丈夫だよ」
母さんにたくさん気を使われながら、ご飯を食べ終えて部屋に帰る。
太陽はまだ眠っていて、なのに太陽からする匂いが甘くて反応してしまう自分。
…触ってもいいかな。
そっと太陽の側に寄って手に触れる。
それだけで満たされるのは、きっと俺が兄弟以上に太陽のことを好きでいるから。
「好きだよ」
呟いて薄い唇にキスを下ろす。
幸せに包まれて、自然に口角が上がった。
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