53 / 95

オメガバース

「何で?何が?」 「何で、やめん、の…」 「だってやだって言ったじゃんか」 そう言うと睨まれて「動いて」と言われる。何それ、可愛い。 「可愛い…」 「はぁ?」 「可愛いなぁ、本当」 「…あ、あっ」 緩く動くと気持ちいいのか、それが嬉しいらしく目を閉じる。 「気持ちいい?」 「ん、気持ちい…」 緩やかな動きのまま律動して、またすぐに達した太陽にそっとキスを落とした。 *** 「俺、今日発情期じゃねえのに…」 さっきから文句をぶつぶつと言いながら俺を睨む太陽。 「太陽、明日にでもさっき言ってたの買いに行こうか」 「じゃあもう今晩は何もしないでくれ、体が辛い」 「うーん、じゃあキスだけ」 一緒に風呂に入り、俺の足の間に座る太陽が顔だけ振り返って「ん」も唇を突き出す。 「何?今してほしいの?」 「…今じゃないのかよ」 「今もする」 ちゅ、っと音を立ててキスをすると「お前、本当に俺のこと好きだよな」と言う。 「好きじゃなかったら番なんてなってないよ」 「それでもさ、こんなに俺のこと甘やかして、面倒臭くねえの?」 「面倒臭くなんてないよ」 だってこんなに可愛いんだもん。 強く抱きしめると「苦しい」と言いながら笑う。 「俺、お前に愛されてるなってわかるから、すごく嬉しい」 「うん。俺もね、太陽に愛されてるってわかるよ。だからこんなに甘やかしちゃうし、甘えちゃうんだ」

ともだちにシェアしよう!