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オメガバース
「何で?何が?」
「何で、やめん、の…」
「だってやだって言ったじゃんか」
そう言うと睨まれて「動いて」と言われる。何それ、可愛い。
「可愛い…」
「はぁ?」
「可愛いなぁ、本当」
「…あ、あっ」
緩く動くと気持ちいいのか、それが嬉しいらしく目を閉じる。
「気持ちいい?」
「ん、気持ちい…」
緩やかな動きのまま律動して、またすぐに達した太陽にそっとキスを落とした。
***
「俺、今日発情期じゃねえのに…」
さっきから文句をぶつぶつと言いながら俺を睨む太陽。
「太陽、明日にでもさっき言ってたの買いに行こうか」
「じゃあもう今晩は何もしないでくれ、体が辛い」
「うーん、じゃあキスだけ」
一緒に風呂に入り、俺の足の間に座る太陽が顔だけ振り返って「ん」も唇を突き出す。
「何?今してほしいの?」
「…今じゃないのかよ」
「今もする」
ちゅ、っと音を立ててキスをすると「お前、本当に俺のこと好きだよな」と言う。
「好きじゃなかったら番なんてなってないよ」
「それでもさ、こんなに俺のこと甘やかして、面倒臭くねえの?」
「面倒臭くなんてないよ」
だってこんなに可愛いんだもん。
強く抱きしめると「苦しい」と言いながら笑う。
「俺、お前に愛されてるなってわかるから、すごく嬉しい」
「うん。俺もね、太陽に愛されてるってわかるよ。だからこんなに甘やかしちゃうし、甘えちゃうんだ」
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