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オメガバース
柔らかい雰囲気を楽しんで、風呂から上がり晩御飯を食べて寝る準備を整える。
「あ、母さんだ」
ソファーに座った太陽が携帯を耳に当てて「久しぶり」と話をしている。
俺はビールを飲みながらその様子を太陽から少しだけ離れたところで眺めていた。
太陽は楽しそうに笑っていて、どんな話をしているのかすごく気になるけれど、時々顔を赤くしたり、幸せそうな表情をしたり、コロコロ変わる表情を見るのも楽しい。
「うん、じゃあ、おやすみ。」
電話を切った太陽はまさかずっと見られていたとは思わなかったようで、俺と目が合った途端恥ずかしそうに視線を逸らした。
「母さん何て?」
「…何でもない」
「そんなわけないじゃんか、あんなに百面相してたのに。」
「ずっと見てたのかよ」
「見てたよ」
ビールをテーブルに置いて太陽の方に近づき肩を抱き寄せる。そのまま「ずっと笑顔で話してたね」と言えば「……お前の話してたもん」と俺の肩に頭をコテンと乗せて恥ずかしげも無く言った。
「え?」
「だから、お前の話してたの。」
俺の顔をキッと睨むように見て「俺、お前のこと好きだから、お前の話だと勝手にそういう顔になるんだよ!」と勢いよくキスをされた。ちょっと痛い。
「…可愛いなぁ」
「お前今日可愛いって言いすぎ。言っとくけど俺の方が兄貴なんだからな!」
「兄貴の太陽が弟の俺にだけそういう姿を見せるから、可愛いって思うんだよ」
ちゅ、とキスをすると下唇を甘く噛んで離してくれない太陽はどうやらまだキスをしたいらしく、その後は太陽の満足いくまで付き合ってあげたのだった。
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