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八田と蓮
家について水を飲ませてからベッドに寝かせる。
すぐにスースーと眠った蓮、俺はリビングに行ってテレビをつけた。トラのところに行く前に早河に休むと連絡を入れておいたから今日は自由だ。
撮りためていた面白そうだなと思ったドラマを一気に見て、最後は感動した泣いた。久しぶりにこんなにのんびり過ごしてる。あまりにゆったり過ごしすぎて腹も減らない。昼飯も取らずに蓮のところに行って隣に寝転んだ。
蓮の首に触れると朝よりはだいぶマシになったけれどまだ少し熱い。蓮は俺の手が冷たいから気持ちいいのかスリスリと無意識に寄ってくる。それが可愛くて思わずふっと笑うと、蓮がゆっくりと目を開けた。
「光兄ちゃん…」
「ああ、どうだ?ちょっとましになったか?」
「うん」
蓮の手が忙しなく動く、どうやら寂しいようでその手をキュッと握れば驚いた顔をしてから、嬉しそうに笑った。
「あ、ありがとう…」
「いい、腹減ってねえか?」
「…へって、ないよ」
そう言ってまた眠ろうとする蓮に今度は蓮の好きなりんごジュースを飲ませてから寝かせる。
「早く元気になって、どこか遊びに行こう」
「…つ、連れてって、くれるの…?」
「ああ、どこ行きたい?」
「えっと…わ、かんない…」
「まあ、その時に考えたらいいよ」
目を細めた蓮は「遊びにいくの…」と呟いたあと、またすぐ眠って、しんどい時はこう長い間眠れるのか、と感心しながら、蓮の頭を優しく撫でた。
***
次の日、見事に復活した蓮は俺に抱きついて「ねえねえ!」と笑いながら言う。
「何だ?」
「どこ、遊びに行くの?いつ行くの?」
「そうだなぁ…」
楽しそうな蓮につられるように、俺もどこかに遊びに行くのが楽しみになった。
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