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雨の日のゴロゴロ
「ピカって光って、ゴロゴロしてたね」
温かいお湯に浸かりながら、さっきのことを話すと命はうんうんって頷いた。
「そうだな。怖かった?」
「うん。でもね、命がね、ぎゅってしててくれたから、大丈夫だったよ!」
命が居なかったら、僕は多分、怖くて歩けないと思うから。そう伝えると命は優しく笑って僕を抱きしめる。
「俺もな、ゴロゴロはちょっと苦手なんだ」
「そうなの…?」
「うん。だからユキがいて良かった」
「どうして?」
僕がいて良かったなんて、何でだろう?
僕は命に抱っこしてもらっていただけなのに。
「だって、ユキが怖がってたら守ってやらねえとって思うだろ?」
「…僕、わかんない」
「俺はそう思うんだよ。ユキは俺が怖い怖いって言ってたら守ってくれるだろ?」
「うん!沢山ね、ぎゅってしてね、それから…怖くないよって言ってあげるの」
「そうか。ユキは優しいな」
頬っぺにちゅーをされて、ふふって笑った僕。それを見て命も優しく笑う。
「じゃあね、雨の日はね、僕とずっとぎゅってしてようよ」
「そうだな。そうしたら、俺もお前も怖くねえもんな」
「うん!」
だんだん熱くなってきて、お風呂から上がる。
その後命は洗濯をしていて、僕は命の隣でずっと、ゴロゴロとお空が泣き止むのを待っていた。
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