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Side ユウタ
補習が終わるとすることがなくだらだらと過ごす。家にひとりで暇してると、ついついえっちな動画を探してしまうが、やっぱりリアルな記憶が一番抜けるわけで……
気づくと玉木に乳首を舐められた時の感じとか、強く摘ままれた時のこととか考えながら触ってしまう。でもどうしても
「イけない!」
てか、そもそも気持ち良くない。
「おっかしいな……玉木が触ったら気持ちいかったのに……」
自分の指で捏ねても引っ張っても……唾液をつけて撫でまわしてみてもちっとも気持ち良くない。そんなことを繰り返していると、ペニスを擦るだけの自慰が物足りなく感じてしまう。
「玉木、うち来ない?」
『んー……どうしよっかな。なんで? なんか用?』
電話はすぐ出てくれたものの、俺の呼び出しに対する返事は渋った。ざわざわと聞こえる喧騒から、玉木が外にいるらしいことが分かる。
「用ってわけじゃないけど……暇だし」
『ふーん……けど、俺いま……』
アキくん、と女の子の声が聞こえる。続く会話も聞こえてきて、どうやら玉木はデート中のようだ。
「忙しいならいい。また……今度でも」
『おまえがどうしてもっつーなら行くけど』
「えっ? 今?」
『今からでも、夜からでも。おまえ次第で』
えーそれどういうこと? と、女の子の不満が聞こえてくる。どんな子なのかな? これからどこ行くつもりだったのかな? なんかそういうこと考えてたらまた、って気持ちが引っ込んでくる。
「今から!」
『おっけー。待ってて』
プツってそこで会話は切れたけど、最後の「待ってて」が耳に残る。エロい時の玉木の声だった。学校とか友達のいるところじゃ絶対聞かせない声。
それを聞いただけでパンツの中のものがむくりと首を擡げる。
「やばっ……」
自分で身体を弄ってたなんて気づかれないように、俺は慌ててバスルームへと向かった。
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