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第6話

椿屋は伊佐坂の細い腰に両手を置く。 触り心地は凄く良い。 「いっぱい……感じさせてやるから」 伊佐坂がそう言って、あと数センチで唇がくっつく!!その瞬間。 「待て!って言っただろーが」 椿屋は掴んだ腰を浮かせ、ひょい、と床に下ろす。 「チッ」 露骨な舌打ち。 「何考えてんすか!!」 伊佐坂を怒る椿屋。 「何って?そりゃセックスの事」 あっけらかんと言う。 成人済の男らしい台詞だけど、美少年伊佐坂には似つかわしくない。 寧ろ、無理矢理組み敷かれて、「いや!!」って抵抗をして欲しい。 それで、服を引き裂かれて……震える美少年。 そんな妄想をしてしまった。 「と、とにかくセックスはしません!」 「何で?インポ?早漏?気にするなよ……若い時はあるあるだから」 ニヤニヤ笑う伊佐坂。 「なに勝手に決めつけてんだよ!」 「インポでも早漏でもないならやってもいいだろーが!」 「はあ?何すか、その理由!そんな理由でヤリまくってたらただの動物でしょーが」 「うるさいよ!交尾にしない生き物の方がいねーよ」 「人間は理性があります」 「その理性とやらを壊せる自信あるけどな?」 伊佐坂は椿屋の太ももに手を置き、近くに寄る。 「へえ、本当、イケメンなんだね椿屋。流石王子様」 「な、なんですか、その王子様って」 「椿屋優、26歳。身長183cm、出身は福岡」 「いきなりなんですか?」 「モデルやってた事もあり、今の出版社に就職。モデルやって芸能界でもいけただろうに」 「だから?」 「もったいないなあって」 ニコッと笑う伊佐坂。つい、ついだ、その笑顔に見惚れてしまい、隙が一瞬出来てしまった。 チュッ!! 唇に何か当たった。 軽くだけど。そして、目の前の美少年が「奪っちゃった」と微笑む。 いやいやいや、別に初めてのキスじゃないし!と椿屋は思う。 「お前ねえ」 「年上にお前?人気作家様にお前?えっ?何?原稿欲しくないの?」 目の前の美少年は口が悪いし、脅しもかけてくる。でも、可愛さが先にくるのだ。 「原稿……」 手にしていた筈の原稿がいつの間にか消えている。 そして、ニコニコ笑う伊佐坂が手にしていた。 「原稿!!!」 それを奪おうとすると、ひょいと交わされた。 「ダーメ、あげない」 「ちょっと!」 「俺とセックスしたらあげる」 「何すかそれは!」 「いいじゃん?気持ち良いし原稿も手に入る」 「その為にセックスしろと?」 「うん、そうなんだ!」 ニコッと天使の微笑みの伊佐坂。 「……しない」 「えっ?自信ないの?」 「そうじゃないだろ!セックスって誰とでもするもんじゃないし、好きな者同士」 「うっさい!平成生まれの草食動物め!」 「平成生まれ関係ないでしょーが!」 「こっちは肉食なんだよ!」 そう言って伊佐坂は力任せに椿屋を押し倒した。 「ちょっと!」 体格差でどうにでもなる!椿屋はそう思った。その瞬間。 「寂しいんだ……」 自分の上に居る伊佐坂が小さい声で呟くように言う。 「俺……誰からも愛されなくて……こんな容姿だろ?女の子からは恋愛対象にはして貰えないし……街歩けば変なオヤジに付きまとわれるし……1度、外食に出た時に夜の公園で俺……無理矢理、知らないオヤジに……」 震えるような声。 外食はしないと言ったのは面倒くさいのではなくてそんな事があったから? 外に出られない? マジか……確かにこんな華奢な美少年が夜に人気がないとこに居たら……いやでも、そんな理由で無理矢理。 さっき、無理矢理やられる妄想をしてしまった自分を反省した。 そうだよ!怖いよな…… 「どうして欲しいんですか?」 「抱き締めて……」 お願いするような声に椿屋は彼の背中に両手を回す。 「安心する」 自分の胸の上で身体を震わせる彼。 ……怖かったのかな? どうしよう、俺……どうしたら? 伊佐坂が震えながら「もう、我慢できない」と椿屋の股間に手を伸ばす。 「俺、それ以来……男のモノが欲しくて……ねえ、俺の願い聞いてくれよ」 そんな……そんな理由で?そんな事したらもっと傷つく。それは駄目だ! 「ダメだよ……辛いならカウンセリングとかあるよ、一緒についていってあげるから」 「椿屋……」 消えるような伊佐坂の声。 でも、次の瞬間、チンコをジーンズの上から揉まれた。 「だめだってば!」 拒否するようにその手をどかそうとする。伊佐坂は少し身体を起こして「ちっ、この手もダメか」と言った。 ……んん?んん?何て言った? 一瞬、頭が真っ白になった。 「ここまでやってやんないのはお前が初めて」 そう言うと椿屋の上にどーんと足を広げて座る。 ちょっと視線を下げると伊佐坂のチンコに目がいくので逸らす。 「可愛い反応しちゃって!チンコ、自分も持ってんじゃんか」 「うるさい!他人のは見慣れない」 反抗して叫ぶ。 「俺のチンコみたんだから椿屋のチンコも見せてよ」 「はあ?」 コイツ、何言ってんだ?俺の見たからって勝手に脱いだだろ?勝手に見せてんだよおお!!と心で叫び起き上がった。 「嘘までつきやがってえええ!」 ガシッと彼の腰を掴む。 「優しくしてください」 勢いつけて言ったのに目の前の美少年は恥じらうように椿屋を見つめる。 ちーがーうー!!! 「降りろ!」 ひょいと退かす。 「椿屋のいくじなし!」 「そんなハイジみたいな台詞吐いても俺は原稿貰って帰ります」 「いいじゃんか!セックスくらい!!お前、本当に若者か?若者ってギラギラして性欲バンバンでハアハア言いながら押し倒すもんだろ?昨日の野郎なんてやる前にイッちゃってさ早漏野郎」 フフッと笑う伊佐坂。 「昨日?辞めるって言った理由ってそれ?」 「どれ?」 「ちょっと!分かって言ってるでしょ?」 「言っとくけど、昨日のは誘ってないよ、俺、自分から誘うのは椿屋みたいなイケメンだけだし、昨日の奴は俺が風呂入ろうと服脱いだらハアハア言いながら押し倒してきたんだよ」 「マジで?」 「まじで!で、結果、早漏!!本当、勢いだけはあったな……先生のファンですう!とかいいながらハアハア荒い息吐いて、本当。アウト!チンコ蹴り上げてとっとと帰れ早漏野郎って言ったら泣き出したんだよ」 なんだよソレは……。 「で辞めたってわけ。いっとくけど、俺は虐めてない。どちらかと言うと被害者」 「そうですね」 アイツ、大人しそうな顔して……とんだショタコン野郎だったのか! 「誤解解けた?」 「えっ?」 「椿屋は俺が新人虐めたって思ってたんだろ?」 うっ……確かに。 それは謝るべきだなと彼を方を向くと忘れていたが全裸だった。椿屋は上着を脱ぐと伊佐坂にかける。 小柄の彼の身体を隠すには充分な丈の長さの上着だった。

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