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19話
◆◆◆
「んーっ」
椿屋は寝返りをして目を開けた。
あれ?どーしたっけ?と起き上がると尻が痛い。
「んん?あれ?俺……」
尻に手をやって、ふと過ぎる伊佐坂にされた行為を。
グワーッ!!俺!!掘られてますやんかあ!!
椿屋はジワジワとエッチの時の記憶が蘇り死にそうだった。
でも、その原因を作った伊佐坂は近くにいない。
起き上がると服を探す。……が、周りに服はない。
仕方なく自分にかけてあったシーツをまとい、伊佐坂を探す。
「んんっ、あっ、あっ、」
如何わしい声がキッチンから聞こえてきた。
は?あの人何やってんの?キッチンで!
男を連れ込んだ?と耳を澄ませると「あ、イヤだ……こわい……」とどこかで聞いた声が。
「椿屋、オラ、ケツ振れよ」
次に聞こえた伊佐坂の声で、如何わしい声の正体が分かった。
俺やん!!!!
椿屋は物凄い勢いでキッチンへいき伊佐坂が見ているノートパソコンを取り上げた。
「ちょー、椿屋!なにすんだ!」
ノートパソコンを取り上げられた伊佐坂は椿屋を睨む。
「こういうは今後禁止します!」
「かーえーせよー!俺んだぞ!」
まるで小学生みたいセリフを吐いて椿屋の手を掴もうとする。
椿屋はノートパソコンを真上にあげる。背が高い椿屋がそういう事をすると伊佐坂は椅子を使わないと届かない。
伊佐坂はポケットからスマホを出すとカシャと椿屋の裸を撮る。
「こらー!!」
「撮って欲しそうに素っ裸なのが悪いだろ?この裸族!」
ニヤニヤしながら連写する伊佐坂。
椿屋はノートパソコンをその場にある一番高い場所、キッチンの棚の一番上にノートパソコンを置くと「写真消してください」と伊佐坂に詰め寄る。
「その前に……裸気にしろ?」
そう言われて、椿屋は慌てて自分の服を取りにいく。
勿論、その隙に伊佐坂は椅子を使い、ノートパソコンを棚から下ろす。
「ほーんと、詰めが甘いからなあ」
クスクス笑う。
間もなくして服をきた椿屋が戻ってきた。
「ケツ平気か?」
椅子に座ってニヤニヤする。
「……大丈夫です」
「処女卒業おめでとう」
ニッコリと微笑まれ「先生!ノートパソコンの動画消してください」と詰め寄る。
「どーしようかな?」
「消してください!」
「オナニーのオカズにすんだよ」
「べ、別のにしてくださいよ!」
「じゃあ、ぬげよ!」
「キムタク風に言わないでくださいよ、毎回毎回!脱ぎませんから」
「ちぇ、まあ、いいけど……どうせ、セックスまたするしな」
「そんな決意表明やめてください!消してください!」
ジリジリと詰め寄るが伊佐坂は平気そうだ。
「じゃあ、弁当作ってくれたら消す」
「は?弁当?明日の昼ごはんですか?」
「違う、明日、姉ちゃんを観光案内するから弁当作れよ」
「あ、お姉さんの……いいですよ?」
伊佐坂の姉が観光する為の弁当という理由がなんか可愛いなっと思ったので了解する。
「まじ?何入れてくれんの?」
自分が作れよって言ったのにキラキラした顔で椿屋を見る。このギャップだよ!ほんと、ずりぃよなあ……怒れない。
本当は怒って消させようと思ったのに……。
「先生は何食べたいですか?」
「俺の食べたいのでいいのか?」
ワクワクして聞き返す。
「もちろんですけど……」
「じゃあ、また、飾り切りだっけ?あれ入れて」
「何の形にします?」
伊佐坂はスマホで何やら検索して「これ!これがいい!!」と画面を見せた。
ライオンと恐竜の飾り切りだった。
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