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18話

ハアハアと息を荒く吐き、椿屋の横に寝転がる伊佐坂。 椿屋は散々イッたので疲れ果てて……というより失神に近い感じで眠っている。 「お前、若いんだからもうちょい体力つけろよ!オッサンの俺の方が元気だぜ?」 椿屋の鼻をむぎゅうと摘む。 「うむむむっ」 息苦しいのか顔を振るが起きない。 「ピロートークとか皆無だなお前は」 そう言うと起き上がり、ベッドから降りる。 ベッドの側に置いておいたスマホでまた椿屋のエロい写真を何枚も撮る。 「次はハメ撮りしようかな……神田悔しがるだろうなあ」 伊佐坂はシーツを椿屋の大事な部分にギリ見えない感じで置くと写真を取り、神田に送った。 ピロンっ! そっこーで神田から返事がきた。 「こえーなアイツ……」 内容はチンコ写ってないやん!!だった。 伊佐坂は『椿屋の後ろ掘ったど!』と書いて送った。まるで、獲物を取ったどおお!!と叫ぶ芸人のように。 すると、LINE電話がきた。 「しもしも?」 「それ、突っ込みいる?」 伊佐坂が電話に出るとそう突っ込みがきた。 「あー、椿屋のに突っ込めば充分だから」 「ちくしょう!やりやがったなああ!!」 神田の悔しがる声にニヤニヤする伊佐坂。 「だって、椿屋は俺んだもーん!何しようが俺の勝手」 「勝ち誇りやがってえええ」 「お前、椿屋やりそうだから先に食った」 「えっ?先に食ったら後食っていいの?」 「どんな解釈だよ……って、良く無事だったよなあ椿屋」 「だって、まさか先生に持っていかれるとは思っていなかったですもん」 「ごちそうさま。美味かったぜえ、締りいいし、しかも、抱いたら可愛いんだよ、オネダリとかしてくんだぜ?」 「えっ?それ、録画してないすか?高く買いますけど?」 「いくらだす?」 「モノによりますなあ……ハメ撮りだったら1本払いまっせお代官さま」 「1本……10万かよ……まあ、ゲイビって売るともっと売れるだろ?」 「ちょ!!椿屋売らないでくださいよ!尻狙われてガバガバなるやないですか」 「ガバガバは俺がするよ」 「ちくしょう」 「まあ、小出して見せてやるよ」 「ありがとうございますお代官様」 「越後屋……これからも色々頼むぞ」 なんて時代劇風な会話をしながら電話は終わった。 裸のまま、寝室を出て飲み物を求めて冷蔵庫へ。 冷蔵庫を開けると姉が持ってきたお土産がドサッと落ちてきた。 お土産を拾っているとスマホが鳴った。 神田か?と表示を見ると姉のからだ。 「何?どーした?」 「あれ、普通じゃん……てっきり王子とやってる最中かと思ったのに」 「……何?最中だと思って電話してきたのかよ?」 「えー、気になるじゃん!王子がどんなエッチするのか」 「変態」 「私が変態ならあんたもそうよ」 笑ったような姉の声。 「姉ちゃん明日帰るんだろ?観光してく?」 「あら、珍しいわねえ」 「神田が車出すから……観光いいんじゃない?」 「王子も一緒?」 「当たり前だろ?」 「ラブラブ見せつける気ね」 「まあね……姉ちゃんも安心したいだろ?俺がちゃんとやってるって」 「ちゃんとやってるでしょ?」 「だな……じゃあ、明日」 伊佐坂はそう言って電話を切った。 ◆◆◆ 「お母さん、誰から?」 お風呂から上がった宙が髪を拭きながら戻ってきた。 「ダンちゃん……明日、観光行こうって」 「えっ?まじ!!」 宙は驚いたように自分の母を見る。 それくらいに外に出る伊佐坂は珍しいのだった。

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