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23話
「神田、スマホチェックさせろ」
伊佐坂は神田に手を伸ばす。
「えー、厳しいなあ」
素直にスマホを渡す神田。それを受け取ると写真をチェックする伊佐坂。
写真は確かに肝心な部分は写っていないようだ。
「先生、服着ないと」
神田は伊佐坂の髪を吹く。
「んー?なんで?」
スマホをチェックしながら答える。
「風邪引くから」
「ひかねーだろ、室内だから、それとも俺に欲情するのか?」
チェックし終わり神田にスマホを返してニヤリと笑う。
「あー、俺はショタコンじゃないからなあ……椿屋がドンピシャ」
「ドンピシャね……やんねーぞ!」
「えー、先に目をつけてたのは俺なんだけどなあ」
「でも、先に手を出したのは俺だ」
「ちぇっ、まあ、機会を狙いますよ。男を抱くのも抱かれるのもOKだって先生が証明してくれたんで」
神田もニヤリと笑う。
「ケッ、しぶといなお前」
「知ってるでしょ?長い付き合いだから」
「まーな、お前の付き合ってた男ともやったことあるから竿兄弟?」
「あー、じゃあ、俺が椿屋とやったらまた、竿兄弟になるな」
ふふっと笑う神田。
そんな2人の会話を知らずに風呂に入る椿屋だった。
◆◆◆
「お母さん、今日、どこいくの?聞いてる?」
宙は支度しながら母、瞳に話しかける。
「あー、聞いてない……でも、あの子が行くとこならたとえコンビニでも公園でも嬉しくてついて行くわよ」
「そうだね、こっちにきても、本当、ダンちゃん外に出なかったから……コンビニくらいは行くようになったけど」
「やるわね、王子!いっそ、あの子と結婚でもしてくれないかしら?義弟になるから」
「あー、いいねえ、それ!」
ワクワク顔の宙。
「あんた、本当いいの?王子あんなにカッコイイって」
「……ダンちゃんならいいし、むしろ、ダンちゃんだからいいのよ!推しキャラ2人がくっついたっていう感じなのよ!興奮するじゃない!!」
宙は鼻息荒くに言う。
「この、腐女子め!!」
瞳は宙の額を指先で弾き、デコピンをした。
◆◆◆
風呂から上がると腰にタオルを巻いて服を探しにいく。
『風呂上がりいただき!! 』
声が聞こえて直ぐにカシャカシャとカメラ音。
「神田さんんん!!」
振り向いて神田を睨む。
「ちぇ、カメラの音でないようにしたいなあ」
『 盗撮できない』
ボヤキと心の呟きが同時にきて「いや、犯罪ですからね!」と念を押す。
「出てってください!着替えるから」
椿屋は神田をグイグイと押す。
「えー、いいじゃーん!みたいいい」
『椿屋のポロリ写真ほしい 』
神田の正直な気持ちと心の声に「死んでください」と言って神田を外に出すとドアを閉めた。
神田さんってあんな変態だったっけ?
真剣に考えてしまった。
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