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7話
うーん、こんなもんかな?
椿屋は朝食をテーブルに並べ考える。
苺、冷蔵庫にあったよな?
買い物した時についでに買ってしまった。
あまおう……。
椿屋が1番好きな苺。
色々、種類がある中でこの種類が好きだ。
まあ、地元のモノであるというのも好きな理由だ。
苺をハート形にするとフレンチトーストの横に添える。
今、何時だろう?そろそろ、起こした方がいいのかな?と時計を見ると6時半。
しまった……まだ、6時半か……こんな時間に起こすと文句言われそうだな。
椿屋が伊佐坂を起こすかどうか躊躇していると「んー、何かいい匂いする」と伊佐坂の声が聞こえた。
「今、起こしに行こうと……」
伊佐坂に視線を向けて次の言葉が一瞬で消えた。
寝起き……ばり可愛い。バリ可愛やん!!
目をこすりながらボンヤリ立つ伊佐坂。
ちょっと寝癖も可愛さを引き立てて、少しシャツがズレて肩まで落ちている。
なにより……色白の素脚がな……魅力的だ。
あざとい!ぜってええ、コイツ、どうやったら自分が可愛いかを知っているに違いない。じゃあ、ないとこんな可愛く演出出来ないだろ?
それが椿屋が出した答えだ。
「朝ご飯何?」
「フレンチトースト……」
「フレンチトースト!!!」
パァ~と伊佐坂の顔が輝く。
来たよ!!きたきた!!これですよ!
思った通りのリアクション。
伊佐坂はテーブルに駆け寄ってきた。
「おおー!!何これ、めっちゃ美味そうやん!!えー、何?これ?苺?何でハート形なん?どーやって作ったん?」
目をキラキラさせて質問攻め。
子供みたいだ。
「ハート形は簡単ですよ」
「お前、天才だな!」
バシン!!と背中を叩く伊佐坂。
「これ、食べていいの?」
「もちろん」
伊佐坂は嬉しそに席につく。
「あ、椿屋、俺のスマホ持ってきて」
「えっ?」
「写真撮る」
「ああ、はいはい」
椿屋は伊佐坂のスマホを探す。
「どこ置いてます?」
「えーと、あ、寝室」
「はい」
椿屋は寝室へと行き、ベッドの上に転がるスマホを見つけた。
何気なく画面を見てフリーズ。
待ち受け……俺やん……。
伊佐坂のスマホの待ち受けは椿屋の寝顔だった。
いつ撮ったんだよ!コレ!!
椿屋はスマホ片手に伊佐坂の元へ急ぎ、印籠のように彼の目の前にかざす。
「いつ撮ったんですか!」
「えっ?ああ、昨日?」
「昨日?何、疑問形で答えてるんですか!もう、待ち受けとか止めてくださいよ!」
「いいじゃん?だって、俺とお前、付き合ってんだろ?」
「はい?」
「宙と神田にはそう思われてる」
「そ、そうですけど、止めてくださいよ!恥ずかしい」
「やだね」
伊佐坂は椿屋からスマホを奪い取るとフレンチトーストの写真を撮りまくる。
「寝顔がダメならチンコ、待ち受けにするぞ?」
「チンコ?」
伊佐坂はスマホを弄って、写真を選ぶと椿屋に見せる。
その写真は局部の写真だ。
「お前のチンコ」
ニヤニヤする伊佐坂。
「いつ、撮ったんですか!」
「昨日?」
「だから疑問形は止めてください!」
「いいじゃん、減るもんじゃなし」
「確かに減りませんけどプライドは傷つきます!」
「プライド?持ってんの?」
くっ!!コイツめ!!
「持ってますよ!」
「別にいいじゃん、俺しか見ないし、俺のおかずにしかならないし?」
おかず……おかずですと?
「は?おかず?」
「アナニーする時のおかず」
真顔で答えられた。しかも、可愛いショタな顔で。
18禁みたいな顔して、中身は完全なる20R。
「あ、アナニーとか」
つい、しどろもどろになってしまう。
「なに?椿屋、アナニーしないの?」
何でやんないの?そんな表情で聞かれる。
「いや、しないでしょ普通?」
「お前の普通が世界の常識だと思うな!」
「それを言うなら先生もでしょーが!」
「気持ちいいのに……教えてやろうか?」
ニヤリと笑う伊佐坂。
「結構です!」
「何で?覚えるとハマるぞ?」
「ハマらなくてもいいです!」
「俺のアナルにはハメたがるクセに説得力ねーな」
くっ!!コイツはあー言えばこう言う……。
「俺がタチも出来るなら椿屋にぶち込むんだけどなあ……俺は根っからのネコだもんな……あ、玩具でいかせてやろうか?」
「大丈夫です!ほら、食べて!」
答えるのも面倒くさくなった椿屋は会話を止めるべく食べるように促す。
「それもそうだな」
アッサリと引く伊佐坂。
そして、「何これ、めちゃめちゃ美味いやん!!」と笑顔で食べ出した。
「苺も可愛いし……椿屋、お前いいな」
ニコッと微笑まれる。
今しがたまでアナニーとか言ってたのが嘘のような天使の微笑み。
「ありがとうございます!」
椿屋は本心からお礼を言った。
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