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3話

恥ずかし過ぎて死ねる……。 その思いをここに来て何度味わったか分からない。っていうより自分の性欲の凄さが分からない。 俺ってこんなに野獣だったのか? 椿屋は顔を赤くしたまま、伊佐坂をお姫様抱っこをするとクローゼットまで連れて行く。 伊佐坂は自然に首筋に両手回してしがみついてくる。 これも何だか今更だけど恥ずかしい。誰も見ていないんだけれども……女の子にさえ、裸の女の子をこうやってお姫様抱っこして連れて行くという行為を考えてみるとやった事がない。 女の子にお姫様抱っこをしてあげた事ってあったっけ? 付き合っていた彼女とエッチする時は自分の部屋だったのでお姫様抱っこしてウロウロする方が邪魔で動きにくかった。 ラブホではシャワー浴びたら即、エッチで……その後は寝ちゃうから……ああ、こういう事するのって初めてなのだなって椿屋は気付く。 イチャイチャしているバカップル……椿屋の頭の中にはその言葉が浮かんでいた。 クローゼットで降ろすと、伊佐坂は下着と服を選ぶ。 下着も服も可愛いのからエロいのまで色々とあるので「なあ、椿屋、どの下着がいい?」と椿屋に選ばせようとする。 「お、俺に聞かないで下さい」 「お前以外に聞く奴いねーだろーがよお!ほら、どれがいい?」 伊佐坂は下着を椿屋に見せる。 これは拷問か? 椿屋は思った。でも、選ばないとこの人は全裸で過ごすだろうな……と知っている。 「じゃあ、コレ……」 適当に選んだ。 「服は?」 普通のTシャツとジーンズ……って思うけれど、コスプレ用の服みたいのしかない。 と、取り敢えず服を着せよう!! 「コレでいい!」 椿屋はパパッと選ぶ。 「じゃあ、着せて」 「はい?」 何で?という顔で伊佐坂を見る椿屋。 「ダルイっつってんだろ?」 くっ!! 椿屋はその言葉で仕方なく下着をまず穿かせた。 1番上から適当に選んだ下着は横に大きなリボンが着いて前は透けていた。 まじか!! 見た時は透けていると気づかなかった。 重なっているから白い色でレースがあしらってあるだけだと……ちゃんと選べば良かった。 ただのエロオヤジみたいやん? 椿屋は後悔する。 でも、服着せれば大丈夫か!! 「両手通して下さい」 伊佐坂に両手をバンザイさせ服を着せた。 着せて気付くパート2。 伊佐坂に着せたのはセーラーのワンピ。 白色でセーラー襟には紺色のラインで胸元にはラインと同じ紺色の大きなリボン。 そして、スカートはミニだから太ももまでの丈。 ぶっちゃけ似合ってて可愛い。 清楚な感じにも見えるし、丈がミニだから小悪魔要素もある。 伊佐坂は服を着た後にニーハイソックスをおもむろに履く。 ……なんという事でしょう!! 昔流行った言葉で絶対領域というのがあった。 ニーハイソックスを履くとその絶対領域が絶対になるのだ。なんだこの日本語は?と自分でも思った椿屋。 「お前ってこういうのが趣味なんだな」 ニヤニヤする伊佐坂。 「ちがっ」 違います!と否定しようかと思ったが見惚れてしまったのは確かなので言葉を止めた。 「好きそうだからサービス」 伊佐坂はゴソゴソと服を漁ると中からレースが沢山ついたチュチュのようなモノを取り出し、スカートの下に穿く。 スカートのボリュームが出て、これまた可愛い。 「どうだ?」 伊佐坂は椿屋の目の前でくるりと1回ターンする。 くそう!!可愛いやんけえええ!!! 椿屋は叫びそうだった。 「椿屋、どうだって聞いてるんだけど?」 伊佐坂は両手を腰に当て、感想を言わない椿屋に拗ねたような表情を見せる。 あざとい……この人はどうしてこんなにもあざといのだろう? 可愛い仕草を知っている。 プンプン怒りながらも顔は可愛い。 知っててやっているとしか思えない。 「可愛いです」 全てを含めての感想。 「よし!ならいい」 伊佐坂は満足そうに微笑むとギュッと椿屋の身体に抱き着く。 「な、なんですか?」 ちょっとドキドキしてしまうよ。 「抱っこお」 甘えたような顔で見上げる。 くっ!!コイツ、絶対に自分が可愛いと知っている。いや、知っているとは分かっているけれど、表情や仕草が椿屋のツボにハマるのだ。 俺が可愛いと思う事を平然とやってのける。 本当あざとい!! 椿屋は伊佐坂をまた抱き上げる。 「ふふ、やっぱ、椿屋は野獣」 「なんすか、野獣、野獣って!」 「美少年と野獣だろ?」 「俺は野獣じゃないです!」 「姿は王子だよな……でも、セックスは野獣じゃんか……ベランダエッチ良かったぞ?」 耳元で囁かれる。 やめてくれええ!!恥ずかしい!! 椿屋は一気に顔が熱くなる。 「またやろうなベランダエッチ」 「ちょ!何言って」 伊佐坂の方へ顔を向けて反論するはずだったのだが彼も椿屋の方へ顔を向けていたのでチュッと唇が触れた。 キスしてしまったと慌てて顔をそらそうとする椿屋だったがガッチリと伊佐坂の両手が顔を抑えていたのでそのままキスされた。 くちゅ、と舌が入ってきた。 拒もうとすれば出来るはずがつい、椿屋も舌を絡めてしまった。 そのままキスを何度も繰り返して止まらなくなってしまった。 キスしながら戻り、ソファーへ伊佐坂を降ろすと彼を組み敷き、またキスを繰り返す。 何度も何度も舌を絡ませた。

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