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5話

◆◆◆◆ ピンポーン……。 次に玄関のチャイムが鳴った。 神田到着。 ガチャっと鍵を開け、ドアを開ける。 「よお!言われた物、買ってきたぜ?」 開けると神田が荷物を見せながらに言う。 「ありがとうございます」 ペコリと頭を下げる椿屋。 「おう!なんだあ、全裸じゃないのか」 その言葉にドキリとした。 なんせ、たった今まで如何わしい事をしていたから。 「な、何でですか?」 やっていた行為がバレているのか?とドキドキしながらに聞いた。 「下着買って来い言うから」 あっ……、そっか、そうだった。とホッとする椿屋。 「全裸のわけないじゃないですか」 「あはは、そうだよね」 『残念、椿屋の全裸見れるかと思ったのになあ』 心の声がちょっと危険な事を言っているがそこは突っ込めない。 「でも、コイツ、さっきまでチンコおっ立ててたぜ?」 真後ろから伊佐坂の声。 ギョッとして振り返る。 「チンコ?」 『なになに?やってたって事?』 神田の生の声と心の声が妙に生々しくて死にたい。 「挿入前だけどな」 ニヤニヤしている伊佐坂。 「やめなさい!」 椿屋は思わず、伊佐坂の口を手で塞ぐ。 「先生、これまた可愛い格好を……椿屋の趣味?」 『椿屋……ロリコンなのか』 伊佐坂の格好を見た神田の感想。 「違います!!」 椿屋は趣味?よりもロリコンの方を否定した。神田には分からないけれど。 「頼んだ物置いて帰って下さいよ!」 もう、これ以上神田が居ると色々と妄想され会社でどんな顔して会えばいいか分からなくなる。もう、既に顔を見づらいのだけれど。 「お前、先輩に向かって……しかも、一応上司だぞ?」 一応をつける神田に少し笑ってしまった。 「先生に仕事の依頼あるんだよ!」 神田は荷物を置くと靴を脱ぐ。 「ほら、荷物!先生にスイーツ作るんだろ?」 神田に言われ、伊佐坂の口から手を離すと仕方なく荷物を持つ。 『さてさて、2人の愛の巣へお邪魔しまーす!』 神田の心の声が聞こえてくる。愛の巣って……昭和臭い言い方。なんて椿屋はため息。 「先生、仕事の依頼いいですか?」 神田はいそいそと伊佐坂を促しリビングへ。 その後を荷物持って椿屋は着いていく。 椿屋はキッチンへ荷物を運ぶ。 「椿屋、飲み物」 伊佐坂がキッチンに居る椿屋へ叫んでいる。 お茶係かよ……。 椿屋はコーヒーを用意し始める。 そして、袋の中を覗くと新しい下着が入っていた。 パンツ穿かなきゃな。 下着を広げ……椿屋は息を飲む。 「神田さん!!!!」 下着を握り、神田の元へとダッシュ。 「何だよ?」 「なんすかコレ!!」 椿屋は神田に下着を差し出す。 「何って、下着?」 下着を見ながら答える神田。 「確かに下着です!でも、これ、紐パンじゃないですか!しかもTバック」 神田が買ってきたのは布の部分が少ないTバックの下着。 「椿屋似合うなって」 「神田、グッジョブ!」 下着を見た伊佐坂は神田を褒める。 「先生まで……」 「穿けよ」 命令する伊佐坂。 「嫌です!」 「ノーパンが趣味だったな……」 ニヤニヤする伊佐坂。 「違います!普通のパンツ下さい」 「いいじゃないか、それで買い物行くわけじゃないし、見るのって先生だけだろ?」 『セクシー椿屋に先生も満足するだろうし』 セクシー椿屋ってアンタ……。 神田の心の声に突っ込みを入れたい椿屋。 「俺はノーパンでもいいぜ?直ぐにしゃぶれるし、突っ込んで貰える」 ニヤニヤしながら大胆な発言。 その発言に神田もきゃっ!!なんて、乙女な態度を取り、椿屋をイラつかせる。 「いいなあ、椿屋はこんな可愛い恋人に直ぐにしゃぶって貰ってさあ」 『こっちなんて、ご無沙汰』 神田の心の声が物悲しい。 「なに?溜まってんの?」 「溜まってますよお?」 『本当、羨ましい』 神田は夫婦中冷めきっているのか、もう、奥さんとそういう行為にならないのか……結婚したら性行為が少なくなるっていうの本当なのだなって椿屋は思う。 「チンコだけならしゃぶってやろーか?神田には世話になってるし、好みじゃないけど」 「は?」 伊佐坂の言葉に真っ先に反応したのは椿屋だった。 神田よりも先に声を発した。 「先生、何言ってるんですか!!」 椿屋は伊佐坂に詰め寄る。 「お前、何怒ってんの?」 キョトンとして椿屋を見上げる伊佐坂。 「怒りますよ!誰かれ構わずチンコしゃぶるとか言っちゃダメに決まっているでしょ!!」 「なんで?」 これまたキョトンとした顔の伊佐坂。 「なんでって」 「先生、しゃぶって欲しいと思いますけれど、恋人の前でそういうのは言っちゃダメですよ!椿屋が嫉妬します」 椿屋の代わりに神田が代弁してくれた。 「嫉妬?えっ?お前……ヤキモチとか妬いてんの?」 伊佐坂のキョトン顔から少し嬉しそうな顔に変わった。 「……まあ、そうですね」 違いますとは言えなかった。 確かにモヤモヤとしたから。自分以外とそういう事をしようとするのが嫌だと感じてしまった。 「椿屋、お前、いいな」 ニコッと笑う伊佐坂。 スイーツに感動する時と同じ笑顔。その笑顔に椿屋は弱い。 そんな風に笑われたら……。 モヤモヤしていたモノが消えていく。不思議だった。 「コーヒーいれてきます」 ドキドキとしてきたので椿屋はその場から逃げた。 ヤキモチとか……。 かなり久しぶりにそんな感情が顔を出した。

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