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9話
暫くして戻ってきた伊佐坂。
伊佐坂を見た瞬間「ファッ!!」と変な声が出た。
戻ってきた彼はアニメに出てきそうな女子高生の制服を着ているじゃありませんか!変な声出ちゃう!!
ミニのひだスカートにニーハイソックス。
キチンと上着も着て胸元は大きなリボン。
「じゃーん」
伊佐坂はくるりと一回転。
一回転すると当然のごとく短いスカートはひらりとめくれ、フリルのパンティが丸見え。
その丸見えがまた……純粋そうな女子高生のスカートが風でめくれて、ラッキーっ的な感じに椿屋には映り、見てはいけないものを見てしまったように顔が赤くなってしまった。
くっ!!今、いいもん見たとか思ってしまった……男相手に……田舎のお母さんごめんなさい。
椿屋は田舎の両親へ土下座したい衝動に駆られた。
「なに、赤くなってんだよ?もしかして、こういうの趣味か?」
伊佐坂はニヤニヤしながら側に来た。
そして、スカートをひらりと捲って見せる。
「ちょー!!!止めなさい!!」
自分しかその場に居ないのにまるで外でスカートを捲っている……そんな感覚に陥っていて、もう、頭がパーンと破裂しそうだった。
「なんだよ?椿屋しかいないじゃん」
伊佐坂はホレホレと調子に乗ってスカートを捲る。
椿屋の狼狽える姿が楽しくてたまらないのだ。
「先生、からかってるでしょ?」
「面白いからからかうに決まってんだろ?アホか?」
アホか?というよりバカだろ?みたいな顔で見られてなんだか悔しい。
「俺とセックスしまくってんのに新鮮な反応が面白いんだよ」
伊佐坂は椅子に座る椿屋の上に脚を広げ跨る。
「玩具……目の前で入れてやるよ、見たいだろ?」
色っぽい瞳……こういう瞳をいうんだな。と思った。今まで付き合った女の子でこういう瞳を使える子っていなかった。
その瞳に誘われて「はい」と素直に返事をしてしまった。
「素直でよろしい……って椿屋の名前ってすなおって名前だったな、ちゃんと名前通りじゃんか」
ふふっと笑うと伊佐坂は椿屋から降りた。
「あ、肝心な玩具忘れてきた」
そのウッカリは伊佐坂らしくて可愛い。
「椿屋、一緒に来い」
手を握られ、連れて行かれる。
伊佐坂のウォークインクローゼットの中、様々な玩具があり椿屋は複雑な気持ちになる。
凄い……っていうより、複雑な気持ちになるのはこれを誰かに使ったり使われたりしたって事。
「なあ、どれがいい?」
ニコッと天使の微笑みを見せるけれど、持っているのは大人の玩具。
「俺は詳しくないから先生が選んで下さいよ」
「えー、こういうのは攻めが選ぶもんだぜ?どうやって相手を気持ち良くさせよう?とか」
「だ、だって知らないし」
「まあ、お前は仕方ないよな……俺が調教してやるからさ……じゃあ、今回は無難なモノでそれと、椿屋はコレ着ろよ」
なんだか、調教とか恐ろしい言葉も聞こえた気がするが伊佐坂が椿屋へ渡した服を見て「えっ?スーツ?」とキョトンとなる。
「俺が女子高生なんだから椿屋は先生だろ?先生と生徒のいけない放課後……あ、いきたいからイケてる放課後な」
ワケの分からない事を言うな……この人。
「このスーツどうしたんですか?」
「ん?前の男が着てたやつ」
何でだろう?ムッときた。
胸がモヤモヤしてしまった。
「嫌です!!そんな誰が着たか分からないヤツなんて」
プイと顔を横に向けた。
「なーに、怒ってんだよ?」
「別に?」
「……まあ、いいやえりか様」
誰がえりか様だー!ちくしょう!!
「その女子高生の制服って他の野郎の前でも着たんですか?」
ソレ、重要……!!
「えっ?いや?新しいけど?何で?」
「それならいいです!」
椿屋はサッサとその場から離れた。
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