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14話
◆◆◆◆
なんじゃこりゃあ!!!と椿屋は思った。
神田が持ってきたもの白衣とメガネ。
えっ?ガリレオ?
中にはちゃんとスーツも入ってた。
「あと、制服……椿屋はブレザー似合いそうだから」
神田は袋から制服を出した。
「んん?なんで制服なんすか?」
「それは伊佐坂先生の希望?」
「なんでこっちに聞いてるんですか!!」
「まあ、とにかく着てみろよマシャになれるかもよ?」
ニヤニヤする神田。
『椿屋は白衣よりもブレザーだな……似合いそうで美味しそう』
神田の心の声に美味しそう?って何?と思う。
「椿屋、着てこいよ、命令だ」
伊佐坂はピッと寝室を指さす。
さすがにここで着ろよ言わないので助かる……なんせ、ノーパン。
伊佐坂先生の命令は絶対なので渋々、着替えに行く。
『ちぇ、ここで着替えればいいのに』
ガッカリした神田の心の声。
なんで神田さんはガッカリしているのだろう?とまた考える椿屋。
まさか、自分のケツを狙っているとは知らない。
椿屋は寝室で白衣とスーツを見つめる。
まあ、制服を着ろと言われるよりはいいかな?なんせ、ガリレオ。
椿屋はスラックスとシャツにネクタイをして白衣を着るとメガネをかける。
姿見を前に「さっぱり分からない」と某ドラマのモノマネをしてみる。
くっ!!やはり、マシャには敵わない……と鏡に映る自分を見て敗北感を味わう。
国民的人気俳優と自分を比べるのもどうかと思うけれどな……モノマネは似てないよな、と反省。
白衣を着て伊佐坂と神田の前に出る。
「へえ、似合うじゃん椿屋教授」
伊佐坂はニヤニヤしている。
『うわあ!!写真撮りたい写真!!!』
神田は興奮しながらスマホをポケットから出している。
「か、神田さん、写真は止めてください」
素早く止める。
「なんで?別に魂抜かれないやん?」
真顔でスマホを構える神田。
「そういう事じゃなくて」
「椿屋、ポーズとれ」
伊佐坂もスマホを構えている。
この2人……。椿屋はドッと疲れを感じた。
しばし、写真撮影会になった。
「はーい、いいよ、椿屋……こっち見て」
『はあ……いいよなあ、椿屋似合う』
指示と心の声がダブルで聞こえ、余計に疲れる。
「もう、いいでしょ?」
椿屋は2人を見る。
「そう言えば椿屋……ノーパン?」
「ちょ!!」
伊佐坂の質問に顔が赤くなる椿屋。
『ノーパン!!やっぱ、そうか……へえ、穿いてないのかあ』
神田の心の声とじーっと股間への視線。
「も、もう、撮影会は終わりです!」
椿屋は逃げたい気持ちでいっぱいだ。
「椿屋……サービスしろよ、脱げ」
伊佐坂の言葉に「絶対いやです!」と椿屋は逃げた。
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