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17話

椿屋は目を覚まし起き上がる。 起き上がって、シャツが脱げかけていて、何故かズボンもベルトが外され、ファスナーも降りて全開だった。 着替えようか悩んで寝てしまったから、きっと自分だと思い、ファスナーを上げた。 「いっ!!!」 陰毛をファスナーに巻き込んでしまい、激痛が走った。 パンツって大事……。 なんとか陰毛は取れた。今、何時だろう?とリビングへ。 それと、伊佐坂と神田はどうしただろう? リビングへ行くと神田の姿はない。帰ったのかな?と伊佐坂の姿を捜す。 伊佐坂はソファーで猫のように丸くなって寝ていて、近付く椿屋。 制服は着替えてしまっていて、Tシャツに短パン。 Tシャツに短パンも伊佐坂は似合う。 可愛いのだ。 色白な太ももがムチムチと惜しげもなく出されて、見慣れているはずなのについ、視線がそこへいってしまう。 裸も知ってるし、ミニスカートも穿いたりするのに……何で衣装によって違う風に見えてしまうのか不思議。 制服……脱いじゃったのか可愛かったのにな。 しかも、着せたままセックスした。 いやらしかった伊佐坂……鏡に映った彼を思い出し、顔が熱くなる。 くそう!!何で思い出す俺!!変態!! ベッドに寝かせようと身体を抱き上げて、パソコンに目がいく。 そこには小説が書かれている。 チラリと内容を見るとどうやら、BLで……この人、本当、仕事早いよなあっと感動する椿屋。 そして、登場人物の名前が『すなお』だった。 えっ?俺の名前……何せ漢字も同じ。 マジかよ……。 勝手に名前を……と思ったけれど、偶然かも知れないしな。と思い直し伊佐坂をベッドへ寝かせに行く。 ベッドへ降ろし、寝顔を見つめる。 ……可愛い。 これで口が悪くなければなあ……と思う。 エロさは……? エロさは……俺の前だけなら……って!俺ってば何考えてんだよおおお!!! シーツをかけようとすると、伊佐坂の手が椿屋の腕を掴む。 えっ?また起きてた?と彼を見ると「ん……抱っこぉ……」と言われた。 「抱っこ?」 近付くと抱き着かれた。 やっぱり起きてた? 「先生……起きてたんですか?」 と聞いても返事がない。返事の変わりに寝息が聞こえる。 寝ぼけてたのか?と思い、寝かせようとするが、ギュッと抱き着いて離れない。 子供か!!と心で突っ込み。 まあ……どうせ夜だし?夜なら寝なきゃダメだろ? 自分に伊佐坂を抱きしめて眠る理由を言って一緒にベッドに入る。 伊佐坂を抱きしめると、ふわふわ……というか、子供を抱きしめているみたいに温かくて甘い匂いがする。 甘い匂いするよな、先生。 まるでお菓子だ。 なんだろ?綿菓子? フワフワで甘い匂いするから綿菓子だな先生は。 綿菓子似合いそうだなあ。 あ、そうだ……綿菓子作ったら先生喜びそう。 飴で綿菓子作れるの売ってたよな?明日、買いに行こう……。 色々考えていたら、椿屋も眠ってしまった。

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