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23話

「あんっ……つばき……やぁ……」 バスタブの中、椿屋の上に向かい合わせで乗り腰を振る伊佐坂。 身体と同じにお湯もチャプチャプと波をつくり、音を出す。 椿屋は伊佐坂の頭を両手で包むようにすると、キスをする。 当たり前のように舌を絡み合わせ、2人は興奮している。 唇が離れると「あっ……でる……」椿屋は頭を抱きしめていた両手を伊佐坂の腰へと場所を変え、前後に動かす。 「あっ、椿屋やあ!!はげしっ!!」 伊佐坂は前のめりになり、絶頂を迎えた。 それは椿屋も同じで、伊佐坂の中に射精した。 2人で大きく息を吐き、呼吸を整える。 「椿屋……やればできるやん」 椿屋の肩に顔を寄せる伊佐坂。 「えっ?」 「さっき、ギブって言ったけど、3回できたじゃん?」 「……うるさいです」 「何?恥ずかしがってんの?」 顔を上げてニヤニヤする伊佐坂。 「お前、野獣なんだから、ギブするわけないやろ?自分を分かっていない」 「……何ですか、俺を分かった風に」 「分かってるから言ってんだよ、お前は俺の身体なしじゃもうダメだって」 「なんすか、その自信満々な……」 「自信あるさ、どんな女より俺がいいはずだ!お前んとこの会社ブスしかいねーじゃん、宙以外」 「……ブス」 椿屋は会社にいる女性を思い出してみる。 編集部にも女性はいる……宙もそう。 ……宙は可愛い。確かに可愛い!! 会社でも、アイドルみたいに憧れている野郎がたくさん居た。 宙の他に可愛い子…… いない? 普通な感じの子はいるけれど、飛び抜けて可愛いは宙オンリーな気がする。 元カノとかは別の会社の子だったし。 パーティで知り合った女の子だった。 「なあ、います!って即答できねーだろ?」 「…………」 それにも返事を返せない椿屋。 「お前、本当の男の快楽を知ったんだから、女の身体じゃ満足しねー!」 ドヤ顔……いや、もう戻れないぞ?みたいな顔で決めつけられてしまったから……そうですね。とウッカリ言いそうになり、我慢した。 「なあ、もう1回する?」 伊佐坂は椿屋の首筋に抱きつく。 彼の中にはまだ、椿屋のが入ったまま……。 それをゆっくりと楽しむように腰を動かす伊佐坂。 「絶倫ですか?」 「そうだよ……お前もだろ?」 ニヤリと微笑まれた。

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