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シはシックスナイン(69)のシ

◆◆◆ 綿あめの機械を箱から出して説明書を読みながら作ろうとする椿屋とそれをニコニコして見ている伊佐坂。 伊佐坂は待て!と言われたワンコのようにキラキラした瞳でじっーと見ている。 椿屋はそれをチラチラ見ながら作業を進める。 尻尾があるならブンブンと振っていそうだな……と思う。 「綿あめって家でも作れるんやね」 瞳もじーっと見ている。 「すげーよなあ!椿屋って色々作れんだぜ?姉ちゃんも夕食食べてけよ、美味いから」 自慢げに言う伊佐坂。 「俺も呼ばれたい」 神田は手を上げる。 「んじゃあ、材料買って来い」 神田に厳しい伊佐坂。 「椿屋、後で買い物行こう」 『手料理!!手料理!!』 興奮気味の神田。……奥さん手料理作ってくれないのかな?と椿屋は切なくなる。 神田の手料理への喜びは椿屋の手料理が食べれるという意味なのだが、それには気づかないのである……よって、 「はい」と返事をする椿屋。 「ちっ、俺も行くからな」 まさかの買い出しに椿屋が行くと言うので伊佐坂も行くと言い出す。 「いいですけど、アイスとかは今日はダメですからね……綿あめあるし」 「は?命令すんな!神田が金出すんだから買いだめするに決まってんだろ?」 伊佐坂は酒豪のくせに甘い物も好き。でも、神田が出すならいいか……なんて心で思ってしまう椿屋。 「ダンちゃん……さっきもだけど、外出るようになったのね」 『……前はほぼ、出なかったのに王子の影響かしら?だとしたらスパダリね王子』 瞳の驚きな顔を言葉と心の声。 スパダリってなんやねん!!と言葉に出来たらなあって思う椿屋。 「そうなんだよ……原稿さえ取りに来い……まあ、取りに行くのが仕事だけどさ。しかも毎回買い物頼まれていたし、ほぼ、家庭用品」 『めんどくさいって言葉で全部まとめるんだもーん』 神田の言い分と心の声。 めんどくさい……散々言われる言葉である。 神田は椿屋より前からパシリだった。なので従順なのかも知れない。 「熱帯雨林っていう便利なモノもあるしな……いいよなあ今は便利な世の中で」 「王子がもっと連れ出してくれたら嬉しいわ!お姉さん」 ニコッと微笑んで椿屋を見る瞳。 『やっと、外に出る気になったみたいで……宙も散々苦労してたのに王子が何の苦もなく外へ連れ出すんだもん……前の奴らよりは良い恋人みたいで良かったわよ、ほんと、ちくしょーめ!良か男』 どんだけ……?椿屋は伊佐坂がそんなに外に出なかったのかと……外に出したい家族の苦労っぽいのを心の声で知って良いのか?なんて思った。 ただ、ちょいちょい、なんだか食われそうな心の声も気になる。 瞳は綺麗だ。さすが、伊佐坂の姉。 しかもナイスバディ!叶姉妹か!ってなくらいのはちきれんばかりの胸。メロン……いや、スイカ! 娘の宙は標準な大きさ。これを遺伝してしまったら狙う男がさらに増えそうだな……と思う。 「姉ちゃん狙うなよ、椿屋は俺んだから」 伊佐坂もやはり気付いているのかそんな言葉を言う。 「ダンちゃんだって、前は私の彼氏をメロメロにしてたでしょー?それでフラレたりしとったとに」 『可愛いし、エロいからな……でも、襲われる事が多かったけどねえ、ボッコボコにしてやったけどさ』 気になる言葉と心の声。 やはり、昔っからそうなのか……可愛いから。 しかも、襲われる……前のストーカーみたいに。 きっと、勝手に好きになって襲ったのだろう。 ストーカーもそうだ。 これは……危険!!椿屋は過去の事にさえモヤモヤしてしまう。これから先は俺がいる……!! なんて、思ってしまった。

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